2008年09月10日

グーグルはどこまで記事を取り込んでいくのか

グーグルはデジタル化された情報ならどのようなものでも欲しいようだ。確かに彼らの目的は、地球上にある知を整理することだ。時間は関係ない過去に紙で出版された記事だって、知の1つに違いない。グーグルは図書館などにある書籍をどんどんスキャンしている。これからは過去の新聞もスキャン対象となる。このスキャン結果をGoogle News Archive Searchで公開しようとしている。

スキャンした記事に広告を埋め込むことでマネタイズし、収益をグーグルとコンテンツ・プロバイダで分けるというビジネスモデルだ。10年以上前の新聞の過去記事にどれだけの価値があるかは分からないが、ほうっておけば何も価値を生まない。だからなのかもしれないが、グーグルは新聞記事の過去記事に目を付けた。以前から書籍には目を付けていたわけだから、新聞も取り込もうと考えるのは自然な流れでもある。

一方、日本ではどうだろうか。古くから日経新聞や朝日新聞などは、過去の新聞記事をデータベース化し顧客に販売している。すでにマネタイズしているわけなので、ここでグーグルからの協力要請がきたからといって飛びついたりはしないだろう。おまけに検索結果を表示するだけで課金されるという、現在のインターネットの世界では考えられないような料金体系が顧客に受け入れられていることを考えると、すぐにはグーグルが支配する広告モデルに移行するのは難しい。

米国では、新聞社の記事は無料で見せたほうが儲かるという流れになっているようだ。その中でグーグルのNews Archive Searchが登場したのは興味深い。グーグルにとってはこの気分が盛り上がっているうちに、一気に新聞記事を取り込んでしまいたいのではないだろうか。

日本では簡単にはいかないだろうが、3年後くらいには日本の市場も変化している可能性は大いにある。すでに新聞社のWebサイトに記載されている記事は、グーグルやヤフーなどの検索エンジンにヒットすることを前提として制作されている。このモデルを紙に印刷された記事にも提供しようというのだ。進化の方向としては正しいが、紙の既得権益を守ろうと考える抵抗勢力は少なからずいる。あまり抵抗すると、結局は新聞社が存亡の危機に陥るだろう。もしかしたら、抵抗なんかしていないと言い張る人もいるかもしれない。

紙は紙でしかなく、特に検索性は絶対的にデジタル化された記事の方が便利だ。10年前の今日におこった事件なんて、グーグルやヤフーで探すほうが自然だよね。実は長期保管もデジタルの方が向いている。10年前の紙なんてぼろぼろになっているから、だれかれ構わず公開するのは無理である。ページがばらばらになってしまう可能性がある。デジタル化されたデータは、今のところ半永久的と考えてよい。やっぱり、デジタルの方が便利だな。

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2008年09月09日

ソーシャルメディアのユーザー認証はOpenIDで決まりなのか

国内のニュースサイトはそれほどでもないのだが、海外のニュースサイト、例えばNew York TimesやCNBC、Washington Postなどはユーザー登録をさせて記事を見せるようになっている。もちろん会員登録をしなくても読める記事はたくさんあるのだが、登録することでマイページ機能など、よりWebサイトを便利に使えるようになっている。

ニュースサイトにしてみれば、記事を無料で見せる代わりに、購読料の代わりとなる何かを受け取りたいところである。具体的に言えば、広告を配信し、広告を閲覧してもらい、該当する商品を買ってもらうといったところだ。ユーザー情報を登録してもらうことで、より適切な広告を配信することが可能となり、より商品を買ってもらえるようになる。

このようなWebサイトの目論見は理解できる。どこかでお金を儲けなければWebサイトの運営すら成り立たなくなるのは資本主義経済の上で当然のことだからだ。ただし、ユーザーの純粋な利便性を考えると、各サイトで個別にユーザー登録してユーザー認証を受ける仕組みは非常に面倒だ。そんな場合に使えるのが、現在ではOpenIDと呼ばれている仕組みが最右翼にいる。OpenIDは1つのIDで対応している複数のWebサイトにユーザー登録できる仕組み。詳しい説明はWikipediaを見て欲しいが、インターネットでシングル・サインオンするために必要なものと考えればよい。

このOpenIDはmixiやヤフーが発行できるようになって、少しずつ一般ユーザーに広まりつつあるかなといった状況だ。とはいえ、ほとんどの人はOpenIDの存在すら知らないだろう。正直なところ、何が便利になるのか分からない人がほとんどだと思う。Webサービスの運営側もOpenIDに対応するかどうかは温度差がある。当然といえば当然で、ユーザーの属性情報がなければ、ユーザーの興味に合致した記事のリコメンドができないし、適切な広告を表示することも難しい。OpenIDだとユーザーの個人情報を取得することが難しいので、多くのWebサービス運営者は様子を見ている状況なのだろう。

インターネットのシングル・サインオンの仕組みは、マイクロソフトの「.NET Passport」などいくつかあったが、どれも失敗している。今回のOpenIDが成功するかどうかは分からない。OpenIDは特定の企業が提供するものではないので、マイクロソフトの.NET Passportのように、「自分の個人情報をすべてマイクロソフトに預けなければならないのか」といった懸念は小さい。ただし、著名な企業だけがOpenIDを発行しているのではないので、聞いたことがない企業・団体が発行するIDはそもそも大丈夫なのかといったことが心配になってくる。

次に問題となるのが、自分の属性情報をどこに預けるかである。OpenID事業者に預けてもいいのだが、Facebookやmixiなど個々のWebサービスで付けられたデータまで、OpenID事業者に預けるのは無理がある。それを解決するのに、ユーザーの属性情報をやりとりする仕組み「Data Portability」という技術があるのだが、これは別の機会に触れよう。ユーザーは安全で便利なものを求めている。これはある意味で相反する事項なのだが、きちんと考えう必要がある。

posted by やすお at 01:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月08日

勝敗を左右する天気予報

タイトルだけでは何を言っているのか分かりませんが、今回は自動車レースの最高峰であるF1(Formula one)で起こった話です。今週末に開催されたベルギーGPが面白かったので、その報告です。

ベルギーGPはスパ・フランコルシャンで開催されます。天候が不順なところで有名で、スパの天候を「スパ・ウェザー」と呼ぶくらいの名物になっています。今年はレースの終盤、それもラスト5週くらいでひどい雨になりました。これが最終結果に波乱を呼び込みます。このブログではインターネットを中心としたIT関連のことを書くものですので、レース結果については触れません。今回は勝敗を左右した天気予報について雑感を書こうと思います。

天気予報はIT技術なくしては語れません。あちこちの観測所のデータをもとにコンピュータで解析し、気圧配置や雨雲の状況を算出します。この予報精度に今回は驚きました。

スパのように天候が刻一刻と変わる場所では天候をどう読むかが重要になります。雨が降るタイミング次第では、タイヤ交換をするためにどのタイミングでピットインするか戦略を考える必要があります。ピットインしたときは給油もするので、ガス欠をしないように、または多すぎないように、スタート時のガソリン量を調整しなければなりません。さらに言うと、予選上位10台の車は、予選で走り終えた状態のガソリン搭載量で決勝レースをスタートしなければなりません。上位チームは次の日の天候を予想して、予選を走らなければならないこともあるのです。

さて、レースですが、テレビ中継でもありましたが、「あと何分で雨が降るよ」といったインフォーメーションが流れます。今回は、レースの終盤、しかもラスト5週くらいで雨が降る可能性があるとの予報が出ました。天気予報は当たるかどうかは微妙なもの。おそらくですが、ほとんどのチームは「ラスト数週であればタイヤ交換なしにいける。あわよくばドライコンディションのままレースを終えられる」と考えていたのではないでしょうか。

しかし、雨は予報通りに降り始めました。ただし、降り始めはドライ用タイヤで走れないわけではありません。なので、各車そのままの状態で走り続けました。そして、残り3週くらいで、もう普通に走ることは難しい状況になってしまいました。だけど、ここでタイヤ交換すると優勝できなくなる。上位チームはもうギャンブルに出ます。完走するまでの我慢比べに状況になりました。結果は・・・、まあ運がよかったドライバーがトップチェッカーを受け、運がよかったドライバーが優勝しました。

IT技術(演算能力と予報プログラムの性能向上)の進化が、おそらく正確な予報を成し遂げたともいえます。もちろん、まぐれ当たりの可能性もありますけれど。結局、情報システムがはじき出す結果を受け入れるかどうかは、人間の判断なのだなというのが、今回のレースを見て分かりました。

仮に、全チームが天気予報を100%信じていたら、レース展開は変わったでしょうか。今回はあまりにも微妙なタイミングで雨が降るという予報だったので、おそらくほとんどのチームはギャンブルに参加したでしょう。でも、最後にタイヤをレイン用に替えたチームが最終ラップで4台(3台かな?)くらいをごぼう抜きしたのを見ると、やはり予報を素直に信じたほうがよかったのかもしれません。完走しなければポイントも取れないわけですし。


大前提として、今回レース途中で雨が降るという予報が、ITできちんと計算された結果でなければ、今回の投稿は意味がなくなります。もしかすると、スパのお天気予報名人みたいな人がいて、その人の経験とカンで予報していたりして。まあ、その経験とカンがコンピュータを越えることはよくある話なので、こちらの方が面白いといえば面白いですね。

すいません。今回は非常にわけが分からない文章になってしまいました。
タグ:F1 天気予報


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2008年09月05日

まだ自由になっていないWebアプリケーション

Google ChromeはパソコンOSの座を狙っているのではないかと前回のエントリで書いた。それを実現するために必要なことがあるのだが、前回はそれを書いていなかった。忘れていたわけではないのだが、記事が長くなりそうなので割愛してしまったのだ。

では、足りないものは何か。それは、アプリケーションの自由度である。パソコンにインストールして使うネイティブソフトと、Webブラウザで動くWebアプリケーションを比較して、どちらが使いやすいか考えてみよう。ほとんどの人は、ネイティブソフトの方が使いやすいというだろう。私もそう答える。例えば、今は文書を書いたり、表を作成したりするのに、インターネットで提供されているGoogle DocsのようなWebアプリケーションが使える。しかし、恒常的にGoogle DocsのようなWebアプリケーションを使っている人は少数派であろう。ネイティブアプリのWordやExcelでドキュメント作成をしている人の方が圧倒的に多いと思う。

なぜ、ほとんどの人はネイティブアプリを選ぶのだろうか。やはりWebアプリの使い勝手がネイティブアプリに劣っているからだと思う。WebアプリにはWebブラウザの機能によって、表現力などに限界がある。セキュリティを確保するためには仕方がないのだが、パソコンに保管しているファイルに自由にアクセスできないのも痛い。HTMLやJavaScriptの限界もあるだろう。

もし、グーグルが本気でパソコンOSをChromeにしたいと思っているのであれば、現在のネイティブアプリと同程度の使い勝手をWebアプリで実現できる環境を整えなければならない。そのためには、JavaScriptを高速に動かす環境が必須だ。Chromeは今のところは、信じられないくらいのJavaScript実行環境を提供している。しかし、もしWebブラウザ上でネイティブアプリ並みのアプリを動かそうとすれば、現在のスピードではまだ力不足かもしれない。Webブラウザ上での表示方法なども、もっと自由度を上げられる仕組みが必要になるかもしれない。

Google Chromeはまだベータ版である。ベータが取れるころにはどのようなWebブラウザになっているだろうか。Webアプリケーションを動かすために、どのような機能を実装してくるのか楽しみである。そして、インターネット上で提供されるWebサービスは、どのように進化するのかも楽しみである。

Google Chromeのベータが取れるころ、真のクラウドコンピューティングが実現しているのかもしれない。

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2008年09月04日

グーグルの新Webブラウザ「Chrome」の本当の狙いとは

2008年9月3日(水)、グーグルは新しいWebブラウザ「Google Chrome」のベータ版をリリースした。ベータ版ながら高速に動作するソフトに仕上がっている。JavaScriptを実行するエンジン「V8」の効果が出ているようで、JavaScriptベースのWebアプリケーションがかなり高速に動く。Webブラウザのレビューはたくさんの人が書いているので、私はChromeが何を引き起こすのか予想してみたい。まあ、これからグーグルが実現していくことを勝手に予想してみる。

グーグルがまったく新しいWebブラウザを公開したのは、Webアプリケーションを動かすために最適な環境を提供したかったからである。これに関しては、裏に何も隠していないと思う。ただし、額面どおり受け取るのは早計だ。Webアプリケーションを動かす環境であれば、新しい製品を出す必要はない。Firefoxを改良するように働きかければいい。

だが、グーグルはそうしなかった。独自のWebブラウザを公開するに至った。この背景には、Webアプリケーションを動かす環境としてのFirefoxはまだまだ力不足なのだろう。Firefox 3でJavaScriptの実行速度が速くなったが、それでもまだ不十分なのかもしれない。Chromeが非常に高速なJavaScript実行環境を用意したのはその片鱗だと思う。

そして、一部の報道で、マイクロソフトに対抗するためにChromeを出したと言われている。これは、ある意味においては正しいが、Webブラウザ戦争においてIEと対抗するという意味では誤りだと思う。おそらく、グーグルはWebブラウザ戦争に参戦することは想定していない。

ずばり、グーグルはマイクロソフトのWindowsというパソコンOSに対して宣戦布告をしているのだ。WindowsをChromeで置き換えるのが本当の狙いではないかと私は考えている。

従来のコンピューティング環境では、WindowsなどOSがあり、その上でExcelなどのアプリケーションが動いている。一方、Webアプリケーションは、WindowsというOSの上に、WebブラウザというOSをさらに追加して、インターネット上にあるWebアプリケーションを動かしている。仮に、Webアプリケーションがこれから主流になるのであれば、何かアプリケーションを動かすためにはWebブラウザがあれば事足りる。Windowsは不要になるのだ。パソコンというハードウエアを動かすための基盤ソフトとしてのOSは必要だが、アプリケーションを動かすのはWebブラウザがすべてを担う。

ブラウザのシェアを考えると、Chromeは今のままではどうやってもIEに勝てない。何もしなければ、ChromeはFirefoxと食い合うだけだろう。大多数のパソコンユーザーは買ってきたパソコンについているものだけで、廃棄するまで使う。FirefoxなどのIE以外のWebブラウザに触れる機会はない人の方が多いのが現実だ。パソコンがWindowsで動いている限り、この状況が変わることはないだろう。なので、単なるWebブラウザとしてのChromeを出すのは無意味なのである。Chromeは世の中のコンピューティング環境がWebベースに移行してからが勝負である。

では、グーグルが目指すWebアプリケーションに移行した世界を実現するには、どうすればいいのだろうか。予想でしかないが、パソコンのOSがChromeになってしまえばいいのである。そのためには、パソコンのスイッチをオンにするとWindowsのロゴが表示されずに、Googleのロゴが表示されるようなパソコンを登場させる必要がある。グーグルは数年前に少し話題になった"Google PC"を現実にしようとしているのではないだろうか。

携帯電話の世界に目を向けると、それほど現実離れしている話とも言えない。実際に、グーグルはAndroidを発表しており、携帯電話というハードウエア向けのOSをリリース済みである。携帯電話のスイッチを入れるとグーグルの携帯電話向けOSが起動し、その上で各種アプリケーションを動かす。このOS部分とアプリケーションを動かす環境を合わせたものが、"Google PC"ではChromeになる。つまり、Google PCはAndroid携帯電話をパソコンの形状にしたものといえる。

ChromeをベースにしたGoogle PCは格安PCになるだろう。PCベンダーに対して、Chromeの使用料は発生しないだろうから。パソコンをより安価に入手できることは、ほとんどの人にとって喜ばしいことだ。発展途上国などでパソコンを普及させる原動力にもなる。今回はChromeというソフトウエアの発表であったが、真の狙いはハードウエアを含めたコンピューティング環境の革命を起こすことではなかろうかと考えてしまうのである。

なにやら妄想みたいになってしまったが、来年にはChromeベースのGoogle PCが登場しているかもしれない。マイクロソフトがVistaとOffice 2007で苦戦しているところを、Google PCで一気に攻め込むというのが効果的なビジネス戦略だと思う。期待して待つことにしよう。我が家のパソコンはそろそろ買い替え時期なので、早めにGoogle PCを出していただけると助かります。

◎関連記事を追加(2008/9/5)


posted by やすお at 01:41 | Comment(0) | TrackBack(2) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年08月18日

長期休みのたびに思う。技術の進歩も考えもの

8月13日から8月17日まで夏休みをとった。会社の規定でこの5日間は強制的に休みを取らなければならないことになっている。5日間の休みが長期休暇なのかどうかは置いて、その間、私は休みでも私の周りではビジネスが進んでいたりする。最近は、どこからでも会社あてのメールをチェックできるので、急ぎの用件であればすぐに対応できる。いや、できてしまうと言った方がいいかもしれない。急ぎの用件でなくても、休み明けの仕事がたまっていくことを実感できる。となると、仕事の段取りを考えるなど休み中とはいえ仕事のことで頭を使わなければならなくなる。

そんな感じで5日間を過ごしたので、なんか休んだ気が全然しない。夏休みは普段接することができない子供と触れ合ういい機会なのだが、仕事のことが頭から離れないので、思い切り子供と遊べない。プールに出かけているときなんかは、「緊急のメールが届いていないだろうか、緊急呼び出しの電話が鳴っているのではないか」といったことばかりが気になった。子供とどういう会話をしたのか覚えていない。考えすぎといわれればそれまでかもしれない。でも、緊急のメールや電話に対応できなければ、それはそれで困るお客さまがいるので完全に無視することはできない。

問題なのは、そもそも私が休みを取っていること。普段通り仕事をしていれば何も悩まなくてすむ。休むから余計な心配が増える。そして、休み中でも仕事ができる環境にあることも問題かもしれない。メールや携帯電話がない時代であれば、休みの日は完全にビジネスが止まる。もちろん、その時代でも緊急対応しなければならない場合はあっただろう。よほどのことがない限り連絡を取ろうとは考えないと思う。現在は、連絡が取れるからとりあえず取っておこうというような感覚である。そして、連絡があれば何か対応しなければならないと思うのはビジネスパーソンの性である。

個人的なことではあるが、今年の夏休みはメールや携帯電話がなければなあと本気で思いました。夏休みは日ごろの疲れをいやす機会だと思うのだが、結局は仕事をしているし、平日はやらない家族サービスもやらないといけない。普段よりやることが増えているのに、これで疲れを取れるとは思えない。それでいて、休み明けの会社は「夏休みを取ったのだから元気になっているはずだ。今日からバリバリ働け」と迫る。会社の言い分は論理的には合っているが、休み中のミッションをこなしたことを考慮してくれない。

私の休み方が下手なのかもしれない。でも、ここ数年は夏休みや年末年始休暇がいやなものでしかなくなっているのも事実。メールや携帯電話など技術の進歩をうらんでも仕方がないのだが、人間は弱いものなので、そうした外部要因のせいにしてしまうのである。困ったものですが。

posted by やすお at 05:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年08月15日

RSSリーダーは何を使っていますか?

自分が欲しい情報を入手するのにRSSリーダーを使っている人は多いだろう。ニュースサイトがRSSを配信するケースも一般的となり、Webサイトのトップから記事を読むよりも、RSSリーダーでニュースをチェックする行動パターンが増えているのではないだろうか。

このRSSを購読するにはRSSリーダーが不可欠なのだが、みなさんは何をお使いだろうか。RSSリーダーには大きく分けて2種類ある。単独のアプリケーションになっているものとWebサービスになっているものだ。単独のアプリケーションになっているものとして、「goo RSSリーダー(アプリ版)」などがある。Webサービスで提供されているものは「Googleリーダー」や「Livedoor Reader」「Bloglines」などがある。

Webサービス型の「Bloglines」のベータ版に新機能が追加されたというニュースを見て、改めてRSSリーダーについて思ったことを書こうと思う。といっても、このようなツールは自分の手になじむかどうかが一番のポイントとなる。自分が使う機能が実装されていればそれで問題ない。

Webサービスとして提供されているものは、会社でも自宅でも登録したRSSフィードを読めるので、私はもっぱらWebサービス型のGoogle Readerを愛用している。初めてのRSSリーダーは「goo RSSリーダー」だった。便利なソフトだったが、会社と自宅のパソコンで登録RSSの同期ができない(注:現在はWeb版やケータイ版がリリースされている)ので、Webサービス型の「Bloglines」に乗り換えた。Webサービス型としてはユーザー数がもっとも多かったというのが理由であるが、使い始めると、その高速さが非常に気に入った。大量のRSSフィードをさばくにはこれ以上のものはないと感じた。でも、今は使っていない。現在は「Google Reader」に乗り換えている。

実は、Bloglinesに乗り換えるときもGoogle Readerは候補の1つとして考えていた。でも、当時のGoogle Readerはベータ版だったためか、とても高速とはいえず使い勝手が悪かったからだ。Google Readerに乗り換える決心をしたのは、高速に使えるようになったからだ。いつのタイミングかは分からないが、正式版で改良されたのだろう。

実はGoogle Readerに乗り換えたのは別の理由もある。1つはBloglinesの開発が全然進まなかったこと。ベータ版がリリースされたものの、1年以上もベータ版のままで一向に正式版にならない。Bloglinesの開発体制に疑問を感じ、何か別のRSSリーダーを探すことにした。ここで候補に挙がったのが、Google Readerだった。ベータ版のころに触ったことがあるという理由と、FriendFeedなどで共有アイテムを共有できる機能が気に入ったのだ。付け加えると、FriendFeedで共有アイテムを流している著名ブロガーが多かったというミーハーな理由もある。著名ブロガーが使っているのならきっと便利に違いないと思ったわけだ。

日本人ユーザーだとLivedoor Readerのユーザーが最も多いかなと思う。このWebサービスも高速でさばけるのをウリにしている。私も試してみた。確かに高速であるがなんとなく手になじまなかったのでメインでは使用していない。便利だと思うのは、日本生まれのツールだけに、携帯電話と相性がいいことだ。Googleなど欧米のサービスだと、どうしても日本のキャリアに合わせたサービスはなかなか出してもらえないので。

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2008年08月13日

インターネット企業が危機的状況になるかもしれない

NECが9月から発売するパソコンの秋冬モデルから値上げをするという。これだけ見ればパソコンの駆け込み購入が増えるのかなと思うくらいかもしれない。「もうそろそろウチも買い替え時期だから早めに買っておくか」と思う人もいるだろう。しかし、ちょっと考えてみよう。グーグルなどのインターネット企業とからめて考えるととんでもないことの序曲かもしれないのだ。

グーグルなどのインターネット企業は、インターネットというインフラがあってこそビジネスを展開できる。ここでいうインフラは、データセンターに格納されるサーバーマシンやルーターなどのネットワーク機器、光ファイバなどの通信施設全体を含む。

利益を上げ続けるには、広告売り上げを増やすことも重要ではあるが、一方でコスト削減、つまりインフラにかかるコストを下げることも重要である。グーグルなどは自前でデータセンターを運用し、数万台レベルのサーバーをどっかんどっかんと入れ続けてきた。これができたのも、ハードウエアのコストパフォーマンスが常によくなってきているからである。インターネットで何が起こっているのかを解説したベストセラー「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」(梅田望夫 著)で触れられているように、ハードウエアのコストが限りなくゼロに近づくからこそ、イノベーションまたはパラダイムシフトを引き起こした企業が台頭できるわけである。

冒頭のNECのパソコンの値上げのニュースを、パソコンではなくIT機器全体で考えてみよう。値上げの原因が原油高や素材の高騰であるなら、パソコンだけ値上げして他の機器はそのままというのは普通に考えればありえない。当然だが、サーバーマシンやルーターなどのネットワーク機器にも影響が出てくるだろう。どこまで原油高などの影響が出るのか予想はつかないが、一般人がガソリン高に対応するために車をプリウスなどのハイブリッド車を購入している流れをみると、とうてい企業努力では対応できないほど厳しいものになっているはずだ。

このような外的要因により、インフラのコストパフォーマンスはこれまでと同じように改善されないのではないかという仮説を立てられる。現在よりコストパフォーマンスが悪くなるということはありえないと思うが、ありないわけではない。もし、インフラのコストパフォーマンスが悪くなると、グーグルやヤフーのように大量のサーバー/通信インフラを使う部署は大打撃を受ける。企業の存続も危ういほどになるのではないだろうか。

もちろん、原油高や素材の高騰による影響はインターネット企業だけでなく、従来型のリアル企業にもある。「ウェブ進化論」の梅田氏がいう未来は幻想なのだろうか。スターウォーズではないが、新しい経済圏(A New Hope)としてインターネット企業は期待された。インターネット企業の株ならほとんどが上がった時代のことだ。その後、ネットバブルははじけて、インターネット企業も堅実な歩みを始めたのだが、今回の原油高で思わぬところから危機がやってきたようだ。

よくよく考えれば、原油高や素材高騰の影響を受けるのは、インターネット企業に限らない、製造業をはじめ、あらゆる産業に影響がある。なんとなくではあるが、インターネット企業は従来の企業と異なるというイメージを持っている。しかし、基本的なものは同じなのだろう。そう考えると、ネットバブルで信じられない株価をつけた事態が異常だったと改めて分かる。
タグ:web


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2008年08月08日

インターネットは夏の暑さを救えない

毎日暑いですね。地球温暖化の影響があるのかどうか分かりませんが、とにかく暑いです。幸いなことに、仕事をしている日中は空調が効いているオフィス内にいることが多いのでそれほど苦労しているわけではありません。でも夜がつらいですね。我が家では、寝るときは窓を開け放しにして寝ます。クーラーをつけたままだと次の日がつらいので、もっぱら扇風機をタイマー設定にして寝ています。扇風機が回っているときはいいのですが、タイマーで止まってしまうと、また暑くなって夜中に目が覚めるなど、本当に健康にいいのかどうか分からなくなってきました。

相変わらず導入部が長くなってすいません。こんな夏の暑さをしのぐのに、インターネットの力を使えないかと考えてみましたが、どうやら無理そうです。

そもそも、インターネットにつながるサーバーやネットワーク機器は電気で動いています。と言うことは、これらの機器を動かすと熱が発生します。熱が発生するとサーバーが設置されている場所を冷却する必要があります。そこでエネルギーを使うので、別の場所で熱が発生するという悪循環になってしまいます。

地球温暖化を防ぐためにも消費電力が小さいIT機器が必要です。熱が出ない機器も望まれます。もちろん、10年前の機器と比べたら、消費電力が小さく、それでも性能は高いというようになっているのでしょうが、まだ不十分のような気がします。

IT機器を冷やすために、データセンターを南極や北極に設置するというアイデアがあるとかないとか。アイデアは面白いのですが、もし熱いデータセンターが設置された場合、南極や北極の気温が高くなる恐れはないのだろうかと心配してしまいます。南極の気温が上がったら、生態系に大きな影響がでるのではないだろうか。それに、メンテナンス要員が南極などに常駐ということになると、きついなあ。

やっぱり、インターネットは地球にやさしくないのだろうか。どうすればいい? そうだ、思い切って、夏の間はサーバーを動かさないというのはどうだろうか。北半球が夏の間は、南半球でIT機器を動かす。逆に、北半球が冬のときは、南半球の人々に対してコンピュータリソースを提供する。どうだろうか。

暑いので、なかなかまともな思考ができなくなっている。いかんいかん。

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2008年07月30日

マイクロソフトは昔から3次元CGが大好き

パソコン用OSのWindowsのイメージが強烈なマイクロソフトであるが、実は3次元CGが好きな企業としても、ごく狭い範囲の中で知られている。

前回は3次元CGソフトのtrueSpaceが無償で公開されたことを取り上げた。ソフトを買収しているマイクロソフトが同社のVirtual Earthで多くの人に3次元モデルを制作してもらうことを意図している。今回は普段目にしないような昔話をしてみよう。

よくよく考えてみれば、マイクロソフトはゲーム機のXboxを開発・販売している。私はゲームをほとんどしないので、Xboxにはどのようなゲームがあるのかよく知らない。テレビCMなどをみていると、Xboxで動くゲームは3次元の仮想世界の中を動き回るものが多いように思う。3次元CGを研究してきた結果がXboxなのかもしれない。

そしてマイクロソフトには意外な過去がある。プロ向けの3次元CGソフトを製品として持っていた時期があったのだ。これも買収して手に入れたものだが、加Softimage社(ソフトイマージュ)を買収していた。現在はノンリニアビデオ編集システムの米Avid Technology社に買収されている。製品名は「Softimage 3D」というもので、もう10年以上も前の話しであるが、当時はゲーム制作によく使われていた。当時のゲーム機は初代PlayStationが全盛のころだ。ちなみにSoftimage 3Dというソフトはプロ向けの3次元CG作成ソフトのトップブランドだった。価格も1本100万円くらいするものだ。プロの道具といっていい。Windowsのマイクロソフトが、業務用3次元CGソフトを買収したものだから、比較的大きなニュースになったわけだ。

さて、このマイクロソフト、3次元CG業界では大きな功績を残している。昔は3次元CGというものは研究室で使われるようなもので、一般的ではなかった。制作環境もUNIXだったし、そもそも3次元CGを作成するには、ものすごいCPUパワーとメモリー容量が必要になる。当時パソコンは64Mバイト搭載していればWindows 95がそれなりに動いていたはずだ。そんな時代に、512Mバイトのメモリーを搭載したマシンが必要だったりするなど、とても一般人が持っているマシンでは3次元CGを制作するのは不可能に近かった。

マイクロソフトはSoftimageを買収したことで、3次元CGの制作環境をUNIXからWindows NTに移行させることに成功した。ちなみにSoftimage 3DはUNIXで動くソフトであったが、マイクロソフトに買収されてからWindows NT版がリリースされた。プロが3次元CGを作成するならUNIX(しかもシリコングラフィックス)じゃなきゃだめだという風潮があったが、これを見事に打ち破っている。機器コストが安く済むパソコンでUNIXと同じ仕事ができるのであればということで、3次元CG制作環境はどんどんWindows NT環境へとシフトしていった。これにともない、Windows NTマシンで動く3次元グラフィックスボードなどの周辺機器も高速で安価なものが出回るようになった。これにより、どんどん3次元CGの制作コストが下がり、CGが一般的なものになっていった。フルCGのアニメーションが映画館で上映されるのもマイクロソフトがCGに興味を持っていたからかもしれない。

ちょっとマイクソフトをほめすぎたような気がするが、それくらい3次元CG業界においては影響が大きかったのである。もしかしたら、ビル・ゲイツがCG好きなだけだったのかもしれないけれど。

とまあ、マイクロソフトのこのような過去があり、そして最近の加Caligari社のtrueSpaceが買収&無償公開されたとあって、今度は何をするのだろうとつい期待してしまうのである。

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2008年07月29日

3次元CG作成ソフトのtrueSpace 7.6が無償公開、これには驚いた

2つの意味で驚いた。1つは、マイクロソフトが3次元CG作成ソフトの「trueSpce 7.6」という高機能な3次元CGソフトを無償で公開したこと、2つ目はtrueSpaceを開発している加Caligari社が、2008年2月にマイクロソフトによって買収されていたことだ。SteveBeSpiderWhite_small.jpg

trueSpaceというソフトは、10万円を切る、本格的な3次元CG作成ソフトとしては低価格のソフトだ。3次元形状を作成するモデリング機能、ライトやカメラの位置を調整して画像を作成するレンダリング機能、アニメーションを作成する機能など、3次元CG制作のための機能がフルで揃っている。(本格的な3次元CGソフトの中では)低価格なソフトとはいえ、クリエータの卵には入門用にちょうどいいソフトだ。

私はクリエータではないが、trueSpaceのユーザーだった。3次元CG関連の仕事をしていたので、少しは3次元CGソフトに触れておこうと思って購入した。もう10年以上前の話だ。「trueSpace 2」の時代である。当時はブログがないので、ホームページを作成し、トップ画面の画像にtrueSpaceで作成した3次元画像を貼り付けていた。プロには適わないが、素人でもそれなりのものが作れたと思っている。独特のユーザーインタフェースを持つソフトであったが、慣れるのに時間はかからなかった。当時のプロのクリエータが使うソフトと比べると、細かなところで機能が削られているので、かえって迷わずに済んだのかもしれない。ホームページの画像以外にも、戦車のアニメーションや戦闘機の画像を作成していた。trueSpaceで創作意欲が沸き立ってきたものだ。残念ながら、私はそれほどセンスがなかったので3次元CGを作成するのは時間がかかっていた。なので、完成した作品の数は少なかったけど。とにかく楽しませてもらった記憶はある。

そんなtrueSpaceを開発している加Caligari社が、10年たってしまった今、米Microsoft社に買収されているとは思っても見なかった。今回のtrueSpace無償公開のニュースを読んで、非常に驚いたわけだ。3次元CGの用途は10年前と比べると広がっている。10年前は、印刷物やテレビ番組、映画、ゲームといったところが主な用途であった。現在では、これらに加えて、インターネットという活躍の場が加わった。Second Lifeのような3次元バーチャルワールドが登場しているし、2次元の地図を3次元化しようとするグーグルのGoogle MapsやマイクロソフトのVirtual Earthといったサービスもある。trueSpaceを無償公開したのは、ユーザーにVirtual Earthの3次元オブジェクトを作成してもらおうという意図がある。Web2.0時代のCGM(Consumer Generated Media)の考え方である。

trueSpaceがこんな形で使われるようになるのは、元ユーザーとしてうれしい話だ。だが、trueSpaceを3次元オブジェクトのモデリングだけに使うのはもったいない。3次元CGアニメーション作成ソフトとしても優秀なので、アニメーション機能をVirtual Earthに盛り込んで欲しいと思う。実装方法はマイクロソフトに任せた。私は1人のユーザーとして待つ。

さて、誰にでも3次元CG制作の環境が与えられるのはいいことだ。しかし、ツールを与えられたからといって、誰もが3次元CGオブジェクトを作成できるとは限らない。ツールはツールであって、何を作るかを決めるのは作り手にゆだねられる。センスも問われるだろう。それでも挑戦するのはいいことだと思う。私も時間ができたら挑戦しようと思う。久しぶりにtrueSpaceと再会できたことだし。

今回はあまりインターネットと関係ない話になってしまった。おそらく、次回もこの話の続きになると思う。マイクロソフトと3次元CGについて過去の経緯を含めて雑感を書いてみようと思う。マイクロソフトの意外な面が見えてくると思う。


◎参考記事


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2008年07月27日

ブログ通信簿−少し納得できない結果が出ました

ブログ通信簿」はブログのURLを入力すると、ブログ作成者のプロフィールを分析してくれるサービスです。ポータルサービスのgooが提供しています。最新記事10件から判定します。面白そうなので私もやってみました。gooが現状でどれくらいのテキスト解析技術を持っているのか知りたかったし。

結果は下記の通り。

tushinbo_img.rb.png


ブログの性別と年齢はいいとして、主張度が「1」というのが納得できません。自分の意見は述べてきたと思っているので、意外な結果に驚いています。挙句の果てに「あなたは一般生徒タイプです。もっと自分の意見を言ってみてもいいのでは」などと通信欄に書かれてしまうとは。

自分が予想した結果が出なかったからといって、ブログ通信簿が悪いわけではありません。自分では認めたくないですが、客観的にみれば、ブログ通信簿の結果が正しいのかもしれません。

ということは、もっとビシッと物事を斬っていけばいいいのかな。よし、がんばろう。

ブログを持っている方は、試してみてはいかがでしょうか。意外な結果が出るか、予想通りとなるかはやってみないと分かりません。一度、客観的に見た自分を調べるのにいいかもしれません。

◎ブログ通信簿
http://blogreport.labs.goo.ne.jp/tushinbo.rb

posted by やすお at 09:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年07月17日

検索エンジンがサービスの質を上げるかもしれない2つの事例

検索技術を活用してさらに便利なサービスにする。このような動きは珍しくないが、検索技術にまつわる動きが2件あったので、メモとしてエントリを書きます。


ここで検索技術といっても、最近のトレンドは、キーワード検索だけではない。キーワードとの関連性や行動ターゲティング、テキストマイニング、レコメンドなども範疇に入る。

はてなはプリファードインフラストラクチャー(PFI)が持っている関連性検索を重視しているようだ。提携の成果として、はてなブックマーク「関連エントリー表示機能」をリリースしている。ブックマークした記事のエントリページに関連エントリが表示されるようになる。PFIが持っている類似情報抽出エンジンが元になっている機能だ。検索技術をレコメンドに応用した典型的な例である。

一方、Twitterは単純なキーワード検索が欲しかっただけかも。これまでなかった機能なので、公式の検索機能が登場するのはいいことだと思う。検索の実行も速いし、翻訳機能もある。余談だが、自分のつぶやきを英語にしてみると面白い。自由な形態の発言を翻訳するのは難しいと思うが、よくやっていると思う。グーグルの翻訳エンジンを使っているみたいですが、こんなに柔軟に翻訳することに驚きました。

残念なのは、2008年7月17日現在、Twitter本体に完全に組み込まれていないこと。トップページに検索ページへのリンクがない。まあ、すぐにリンク設定されると思いますが。"関連つぶやき"みたいなものを抽出できれば面白いかもしれません。

posted by やすお at 06:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年07月16日

コンピュータは世界に5台だけでいいの?

IBM創業者のトーマス・J・ワトソンは「コンピュータは世界に5台くらいあれば十分だ」いう意味のことを言ったそうな。65年前の話しですが、クラウド・コンピューティングの世界を予言していたのかもしれません。だったら、5台と言わずに、「5クラウド」とか「5仮想サーバー」とか、せめて「5クラスタ」などの表現にしていたら、すごい予言ということになったのに。

もし「5台」ではなく、クラウドをにおわす別の表現にしていれば、クライアント・サーバー型の分散システムの時代をすっ飛ばして、クラウド・コンピューティングに移行していたかもしれません。そうなると、マイクロソフトのWindowsはこれほど使われなかったかもしれません。もしかすると、Webブラウザが現在のOSそのものになっているかもしれません。パソコンのスイッチを入れると、Netscapeが立ち上がる感じになっていたかもしれません。

コンピューティングの歴史は、集中→分散→集中を繰り返しています。この分散のところをマイクロソフトの時代と呼んでいいでしょう。最初の集中はIBMで、2回目の集中はグーグルということになります。もし、「コンピュータは世界に5クラウドくらいあれば十分」と表現していたならば、マイクロソフトの「分散」時代がなくなっていたわけです。もしかすると、グーグルという企業も登場せずに、ずっとIBMの時代が続いていたかもしれません。言葉というものは恐ろしいです。まさに歴史を変えてしまう力があります。

このクラウド・コンピューティングの世界は奥が深そうです。まだ始まったばかりということもありますが、改めてクラウドについて後日書いてみたいと思います。

posted by やすお at 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年07月13日

「あいつがやらなきゃ俺がやる」─。それがWeb2.0時代の流儀

Yahoo!内のごたごたもあり、ソーシャルブックマークサービスのdel.icio.usがなかなかバージョンアップしない。しびれを切らしてしまったのかどうかは分からないが、新しいサービスを作ってしまった人がいる。TechCrunchの記事「FavThumbsはDel.icio.usブックマークをクールに視覚化」で紹介されていた「Favthumbs」というサービスである。Del.icio.usに保管したブックマークを見栄えよく表示してくれる。Del.icio.usのユーザは一度試してみてはいかがだろうか。

最近のWebサービスは他のWebサービスと連携できるようにAPIを積極的に公開している。そのため、さまざまなWebサービスをマッシュアップした新しいWebサービスが登場している。今回の「Favthumbs」もその一種だといえる。

面白いのは、公開されたAPIを利用することで、本家サイトを越えるものを作れるということだ。これは、最初にAPIを公開しておけば、極論するとバージョンアップを他の人に委ねることができることを意味する。まさに、「誰もやらないのなら、俺がやる!」という気持ちが、Webサービスを進化させるわけだ。

逆にいえば、本家サイトは魅力的なサービスを提供し続けられなければ、他の人にサービスを乗っ取られる恐れもあるということ。こう書くとAPI公開をしない事業者が出てきそうだが、それはないだろう。API公開によるオープンなWebサービス開発の流れは止められそうもない。むしろAPIを公開しないWebサービスは、第三者に見向きもされなくなるのではないだろうか。Webサービス事業者にとっては、こちらの方が怖い。

posted by やすお at 09:23 | Comment(0) | TrackBack(1) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年07月09日

My Yahoo!(英語版)がリニューアル、競合はiGoogle?それともFacebook?

英語版のMy Yahoo!がリニューアルした。以前から新しい画面を使うことができたのだが、すべてのユーザーが新画面を利用できるようになった。新画面では、GmailやFacebookなどYahoo!以外のアプリケーション(モジュール)もMy Yahoo!に表示させることができる。情報ポータルからアプリケーションポータルへの移行を狙っているのだろうか。

TechCrunchの記事「My Yahoo、新たなインタフェース採用でiGoogleの追撃をかわせるか」によると、My Yahoo!のユーザーは減少しつつあるとのこと。てこ入れ策として今回の新画面をユーザー全員にリリースし、外部のアプリケーションを組み入れるオープン戦略をとるのだろう。

さて、新画面の印象であるが、ぱっと見たときは「Netvibesに似ているなあ」と感じた。ただし、少し使っているうちに、「これはFacebookと同じじゃないか」と思えてきた。左側にはYahoo!のサービスメニューが並び、右側には2列のコンテンツエリアがある。現在のFacebookも左側にはインストールしたアプリケーションメニューが並び、右側には2列でコンテンツエリアがある。「戦略も似ていれば、画面も同じか?」と思ったが、まあ今のところ、これが最善の策なのだろう。

先ほど紹介したTechCrunchの記事では、My Yahoo!から離れていったユーザーはFacebookに行ってしまったのではないかと推測している。確かに、Facebookの方が使えるアプリケーションが多いので、自分のポータルとして使うのに申し分ない。おまけ(正確にはおまけではなくメインの機能である)に、友人とのつながりも構築できる。ユーザーがFacebookに移行するのは無理もないことだ。

このようなスタートページは、NetvibesやPageFlakesなどの専業会社、Yahoo!やGoogleなどの旧来のポータルサービスを提供する会社、そしてFacebookやMixiのSNSの3分野でユーザーの取り合いが起こるだろう。個人が欲しい情報は当然ながら一人ひとり異なる。なので、スタートページで覇者となるには、よりオープンな仕様で、どんなコンテンツ/Webサービスを取り込めるようになっていることが最低条件だろう。もちろん勝負がつくのはまだ先の話。それまで、我々はいろんなサービスを吟味しようではないか。

posted by やすお at 10:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年07月08日

「ウェブを変える10の破壊的トレンド」を読んでのまとめ

ウェブを変える10の破壊的トレンド」という本に出会い、あまりにも私が書きたかったことを解説しているのに衝撃を覚えました。だったら、いっそのこと本書をベースにして私なりの考え方をブログに書いていくと面白いのではないかと思い、今回のような書き方をしました。著者の渡辺弘美氏と異なる主張をしているところもあります。書籍とブログを読み比べていただければ、面白いかもしれません。

最初は3回くらいでまとめようと思っていたのですが、始めてみると言いたいことはどんどん膨らんできて、とうとうほぼ1章につき1つのエントリを書いてしまいました。本書で取り上げているリンク集も(個人的に)作成しておきたかったので、ばらばらに書いていたエントリを参照しやすいように下記にまとめました。ご参考まで。

第1回:今を破壊するものは何か
第2回:「FREE」が変えるコンテンツ流通
第3回:クラウドソーシングはネット時代の民主主義か
第4回:ネットで相手の息遣いを感じる方法
第5回:現在はWeb中心ですが、将来は分かりませんよ
第6回:仮想世界とユーザーインタフェース
「第6回:仮想世界とユーザーインタフェース」の続き(記載Webサイト一覧)
第7回:ビデオはイノベーションの種になる?
第8回:検索でおもてなし
第9回:コンピュータに意味を理解してもらうセマンティック技術


また、エピローグで参考文献と参考Webサイトを紹介してますので、ここにもリンクを記載しておきます。Webサイトは英語のものがほとんどですが、Webのトレンドをつかむのに非常に役立つと思います。



最後に、著者である渡辺弘美さんのブログ「破壊的トレンド」へのリンクを記載し、すばらしい書籍に出会えたことへの感謝の意とさせていただきます。
http://hiroyoshi.wordpress.com/

posted by やすお at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年07月04日

マイクロソフトが着々と次世代検索技術を手に入れている

7月1日に、米Microsoft社は、自然言語検索技術を持つ米Powerset社を買収した。マイクロソフトが持つLiveSearchの機能を拡張するのが目的だろう。TechCrunchの記事「Powersetの話題は一段落。マイクロソフトが買収しました。」で触れられているが、Powersetが持つ卓越した技術を披露するにも、運営資金の問題があってなかなか成長路線に乗れなかった。マイクロソフトが買収したことで資金の問題はなくなるはずだ。マイクロソフト傘下になったPowersetにより、自然言語検索技術において革新がみられるかもしれない。楽しみだ。

過去エントリ「第8回:検索でおもてなし−「ウェブを変える10の破壊的トレンド」を読んで」で書いたように、検索技術の革新は次世代インターネットサービスには欠かせないもの。マイクロソフトが検索技術を買うのは当然の戦略である。PowersetはGoogleが買収する話もあったらしい。Googleは自然言語検索技術を自前で開発するのだろうか。

さて、マイクロソフトであるが、検索技術の会社を買収したのは今回のPowersetだけではない。エンタープライズサーチ(企業内検索)の分野では定評があるノルウェーのFast Search & Transfer社を2008年4月25日に完全子会社としている。みなさんも覚えているだろうが、4月25日というとMicrosoftがYahoo!を買収する話題に世界中が注目していたときだ。過去エントリ「Yahoo!を買わなかったMicrosoft、次の一手はすでに打っている」では、マイクロソフトが企業内検索分野を強化するのではと書いた。もちろん、その戦略はFastを買収した直接の効果だ。そして、今回のPowerset買収とからめると、もっと大きな話になるのではないかと思う。

レコメンドエンジンとしても強力なFastの検索技術と自然言語検索のPowersetの技術が組み合わせれば、何ができるだろうか。まず、企業内の検索(エンタープライズサーチ)で、より効率的に目的の文書やデータを検索することができるだろう。企業内で蓄積している知識を自然言語で検索できるようになる。これは、今のFastの技術にPowersetに技術を単純に追加したケースだ。具体的にはマイクロソフトの「SharePoint」の機能強化版として提供されるだろう。

マイクロソフトが狙うのはインターネット検索の方だろう。LiveSearchの機能強化だ。うまくいけばこちらの方が得る利益は大きい。Yahoo!を買収したがったのもインターネット検索技術と広告配信の部分であるし。正直なところLiveSearchはインターネットでの立場は弱い。それをマイクロソフトはどうにかしようと思っているのだろう。ただし、Yahoo!買収がどう転ぶのか分からない状態では、地道に検索機能を強化していくしかない。それがPowersetであり、Fastの検索機能なのだろう。足場は徐々に固まりつつある。

何でも一番になりたがるマイクロソフト。これまではビル・ゲイツの執念みたいなもので戦ってきた。ビル・ゲイツ引退後のマイクロソフトはどこまでやるのだろうか。グーグルを倒して、インターネット時代の覇者となることはできるのだろうか。Yahoo!なしでは難しいだろう。ただし、何らかのイノベーションが起こると一夜にして盟主が入れ替わる。それがインターネット業界の面白いところである。

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2008年07月03日

Firefox 3の一日のダウンロード数が世界記録に認定

Mozilla、Firefox 3 のリリース時に24時間以内のダウンロード数で世界記録に挑戦していました。そして、それが、ギネス・ワールド・レコーズによって正式に世界記録として認定されました。認定された記録は「8,002,530 ダウンロード」です。

Mozillaの呼びかけに対して、一般ユーザーが応えただけなのかもしれませんが、このお祭り騒ぎは、参加した一人として楽しかったです。新商品の垂直立ち上げに有効な手法かもしれませんね。

Mozilla Japanからの正式なプレスリリースが出てますが、まだWebページはアップロードされてないようです。今日中には記載されると思いますが

posted by やすお at 06:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年07月02日

第8回:検索でおもてなし−「ウェブを変える10の破壊的トレンド」を読んで

前回は「ビデオはイノベーションの種になる?」というエントリで映像が持つインパクトについて書いた。今回は第9章の「Search[サーチ]ポストグーグルの潮流」をネタにブログを書いてみようと思う。検索技術はユーザーをおもてなしするのに欠かせない機能になる。単純な検索から、「検索」という言葉の枠を超えた検索が身近になる時代がやってくる。

インターネットで検索というと、グーグルを筆頭にヤフーとマイクロソフトを思いつく。キーワードをWeb画面で入力すると、瞬時に該当するWebサイトを返してくる機能だ。インターネット検索なしに仕事や趣味の調べものをすることは事実上不可能になっているのではないだろうか。

ただし、現在の検索機能が完全というわけではない。検索で足らない機能の例を挙げてみると、ユーザーがキーワードを入力しないと結果が返ってこない、検索結果にノイズがある、キーワードで探しにくいものがある、大体3つくらいある。

これらを解決しそうなのが、「自然言語検索」と「人力検索」だ。また、キーワードで探しにくいものの代表に映像があり、映像を探すのに特化した機能を開発している企業も出てきている。

自然言語検索は、キーワードを並べて欲しい情報を探すのではなく、日常使っている文章を入力すると結果が返ってくるというものである。例えば、「初代大統領米国」とキーワードを羅列するのではなく、「米国の初代大統領は誰?」というように入力すると「ワシントン」に関するWebサイトが表示される仕組みだ。ユーザーが不必要なWebサイトを検索結果から排除することができる。

人力検索は、グーグルのような検索インデックスだけで検索結果を返すのではなく、人手で検索結果を返すものである。調べ物をするときに、「近くにいる知っている人に聞く」というのが、もっとも正確で早い。これをWebを介して実現しようというものだ。海外ではいくつか人力検索のWebサイトが立ち上がっている。人力検索の問題は、人手が必要なので、検索結果は正確かもしれないが、漏れが生じる可能性がある。個人的にはポピュラーになる検索方法とは思えないが、Yahoo!知恵袋のようなQ&Aサイトとして使われる可能性は十分にある。

検索方法は多種多様なものが出てきているが、そもそも「検索」でできることは「何かを探すこと」だけなのだろうか。英語で検索のことは「Search(サーチ)」という。海外ではサーチ機能を、情報を探すだけでなく情報をリコメンドする機能にも使っている。例えば、アマゾンではオススメの書籍などをリコメンドする機能がある。これは、ユーザーの購入履歴を一種のキーワードとして、アマゾンが持つ巨大な全ユーザーの購入履歴から同じような行動をする人を探し出し、オススメの商品をサーチ結果として返しているわけだ。

もちろん日本のサービス事業者もリコメンド機能を提供する企業がたくさんあり、サーチとリコメンドは同じものなのだと気づいていると思う。検索技術なくしてリコメンドはできないからだ。多くの人々は「検索」という言葉から、自らが動いて何かを見つけるというイメージを抱く。「サーチ」と「レコメンド」を似たような機能だと認識できないのは当然のことである。

最近のWebトレンドとして、パーソナライズが重要になっている。より個人に近いところでWebサービスを展開し、ユーザーに対する“おもてなし”を強化する動きだ。よりユーザー満足度を上げるためには、パーソナライズされた画面において、レコメンドされた情報をきちんと提供する必要がある。このとき、ユーザーには見えない形ではあるが、サーチ(検索)機能がWebサービスを支えることになる。

以下、第9章で取り上げられたWebサイトのリンクを紹介する。ご参考まで。





posted by やすお at 08:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



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