Yahoo!買収で世界中をさわがせている中、Microsoftは、ノルウェーの検索エンジンベンダーであるFast Search & Transfer社を2008年4月25日に完全子会社としている(マイクロソフトのプレスリリース)。検索ベースのインターネット事業において、Yahoo!以外のオプションを確実に実行していたわけだ。これが、Yahoo!以外の選択肢だ。
検索機能をベースにしたサービスというと、第1位はGoogleで第2位はYahoo!、そして第3位はMicrosoftの順番で頭に浮かぶ人は多いだろう。 MicrosoftがYahoo!を買収するのは、2位と3位の企業連合を構成して、第1位のGoogleをやっつけようという狙いがあった。
だが、Fast社の完全子会社化という事実を考えてみると、Yahoo!の買収ってなんだったのだろうと思う。インターネット広告の仕組み以外はFast 社が持っている。MicrosoftにはFastの検索エンジン技術を核にして、インターネットビジネスを推進できるのだ。
また、MicrosoftがFastの検索エンジンを手に入れたことで、Googleが弱いエンタープライズシステム(企業情報システム)の分野で大きなシェアを取ることができるだろう。今でもMicrosoftには企業向け検索サービスとしてSharePointがある。これにFastを加えれば、さらに高度な検索機能を企業に提供できる。そして、企業での導入が進めば、インターネット分野でのFastの活用が見えてくる。
Fastの検索エンジンは、日本では楽天が使っているし、米国ではNewYork Timesも使っている。コンシューマ向けのインターネットサービスでも使用実績がある。後は広告配信システムだけだ。これも半分は検索がベースとなるので、半分は出来上がっているようなものだ。マイクロソフトの豊富な資金で、あとはどうにでもなりそうな気がする。
もちろん、マイクロソフトの理想は、Yahoo!を買収し、企業向けも一般消費者向けも同時に相手にしたかっただろう。そうすれば、一気にグーグルを追い詰める可能性もあったに違いない。
マイクロソフトはぎりぎりまで買収交渉をしたのだと思うが、結局はあっさりと身を引いたようにも見える。これはFastをすでに手中に収めていることからくる余裕と見えなくもないが、どうだろうか。
さて、マイクロソフトの買収戦略であるが、うわさのレベルでしかないが、facebookの買収を視野に入れているようだ。マイクロソフトが Facebookにかなり多額の投資をしている。この流れで買収まで行ってしまうこともありえるのだが、正直なところYahoo!よりもFacebook の方が手ごわい相手のような気がする。

