今日のポストはスライドショーを自慢したいわけではない。スライドショーを通してWebの未来を紹介する。とりあえず、せっかくなので、まずはスライドショーをお楽しみいただきたい。
どうだろうか。このスライドショーの作成には米slide社のWebサービスを使った。スライドショーで表示している桜の写真は、私の携帯電話で撮影した写真をデジタルフォトや動画を保存できるphotobucket(米Photobucket社)にアップロードしたものだ。ちなみに、スライドショーの作成に費やした時間は5分ほどである。まあ、桜をテーマにすると決めていたので、作りやすかったのも事実である。
「まだWebの近未来なんて出てきてないじゃないか」と思うかもしれない。しかし、今回私が作成したスライドショーにWebというかプログラムというかコンテンツの未来形がある。
最終的に私が作成したスライドショーは、このブログの記事として使われたし、私のfacebookのFunWallにもポストした。もちろん、slideのWebサイトでもスライドショーを見ることができる。
ここまでの流れを整理しよう。
- まず、撮影した写真をphotobucketにアップロード
- slideでphotobucketにある写真を組み合わせてスライドショーを作成
- facebookとブログでslideに保存しているスライドショーを公開
私が使ったWebサービスは「photobucket」「slide」「facebook」「ブログ」の4種類だ。facebookとブログはコンテンツの公開という同じ役割なので、実質的には3種類のWebサービスを使っている。photobucketは写真や動画を保存する機能、slideはスライドショーの作成のみ、facebookとブログは作成したコンテンツを他人に見せるために機能を提供しているにすぎない。
各Webサービスの比較的単純な機能を組み合わせて最終コンテンツに仕上げる手法は「マッシュアップ」といわれる。マッシュアップという手法も近年注目されている技法であるが、ここで言いたいのはマッシュアップのことではない。
比較的単純な機能は、いわば「小さなプログラム」である。ここではそう考える。「小さなコンテンツ」と言い換えてもいいだろう。これら小さなプログラムを組み合わせて「大きなプログラム(大きなコンテンツ)」(ここでいうfacebookやブログで提供するコンテンツのこと)をWebの世界で作成できるようになったのだ。
「大きなプログラム」と「小さなプログラム」−−−これはどちらかが良くて、どちらかが悪いというものではない。これまで、プログラム作成(コンテンツ作成)は「大きなプログラム」が主流になったり「小さなプログラム」が主流になったりを繰り返している。たとえば、Windowsシステムがデファクトスタンダードで使われ始めたころ、同時にOfficeソフトが肥大化した。1つのソフトで何でもできるようにしたのだ。プログラム開発の効率のよさなどはほとんど考えられていない。その結果、マイクロソフトはOLE(Object Linking Embedding)やAppleを始めとするOpenDocという規格が作成され、1つの文書に動画像を埋め込める技術が使われそうになった。ただし、 OpenDocに関しては、この試みはうまくいかなかったといえる。
この失敗を元に、再度Officeが肥大化した。そして、再度、プログラム(コンテンツ)は小さく分割されつつある。今度はOfficeではなく、プログラム(コンテンツ)を載せるWebが議論の中心となった。現在のWebではウィジェトをページ内にいくつかちりばめて、1つの画面を構成するようになっている。
単なる歴史の繰り返し?と思うかもしれないが、今度は各Webサービスで提供しているサービスは単体でも使えるところが異なる。photoucketでも単体でスライドショーを作成することができるし、slideだって写真を保管する機能がある。facebookにも写真を管理する機能がある。ブログにも写真を載せるためのデータを保管するスペースを持っている。
ここからは私見であるが、これからの3年間はWebの世界に限っていえば、ウィジェトベースの画面やプログラムの作成が主要となる。現時点ではまだ実感がわかないだろうが、それはウィジェットが表になかなかでないからだ。すでに、企業内ポータルシステムなどでは、ポータル画面上で動くウィジェト(ポートレットともいう)を組み合わせて構築するのが普通である。また、個人向けのサービスではiGoogleやNetvibesといったスタートアップページを提供するサービスでは、ウィジェトが整然と並んでいる。ひそかに使われているのだ。全面的にウィジェットが表に出てくるにはもう少し時間が必要である。
さらに、ウィジェット全盛時代は長くは続かない。次(10年後くらいかな)はまた大きなプログラム(コンテンツ)の時代に進むだろう。決して戻るわけではない。何か便利なものを実装して、昔とは比べられないくらいきれいになって、しかも耐障害性に強いものができるのであろう。
ITの世界は過去に繰り返しが発生している。今回のポストも実はIT世界の動きに打ち負かされるなといいたいだけのことだ。大きな流れに注目すると重要なものが見えてくる。



