2010年03月11日

従来メディアの厳しい現実が分かる面白い資料が載っていたので紹介


インターネットによって従来のメディア企業は破壊的な変革を求められている。これは前から言われていたこと。私にとっては改めて書くまでもない“常識”の範囲である。しかしながら、常識として考えられない人は多い。まさに“ゆで蛙現象”である。その場所にいる人は、その場所がどのように変化したのか認識するのが難しいのだ。離れた場所にいる人は、変化が発生していることに気が付き、変化が起きていることを警告できる。だが、多くの人は変化を嫌う傾向があるので、外野からの警告は聞き入れられないことが多い。

そこで数字で現実を直視できるようにすれば、変化にさらされている人も、ぬるま湯が熱湯になっていることに気が付くだろう。TechCrunchの記事『Googleのチーフ・エコノミスト曰く「新聞がニュースで儲けたことなどない」』は刺激的な記事見出しである。これまでの新聞をバッサリと切り捨てている。おそらく、これくらい書かないと新聞の人には伝わらないと判断したのかもしれない。

そして、従来メディアが生き残る方法もTechCrunchの記事『Marc Andreessen、旧メディアにアドバイス―「生き残りたければ船を焼いて退路を絶て」』にある。こちらはさらに刺激的である。内容も刺激的というよりも絶望的である。書いてあることは実行不可能だからだ。

日本経済新聞(日経新聞)は、いわゆる電子新聞を発行する。位置づけとしては紙の新聞の拡張版だ。朝刊と夕刊という従来の新聞に加えて“Web刊”として電子新聞を発行する。料金体系も紙の新聞を購読していればWeb刊を安く読めるという感じで、まず紙ありきのサービスのように見えなくもない。

簡単に言ってしまえば、“船を焼く”決断ができないのである。まあ、紙をなくすことが“船を焼く”ことなのかどうか議論する余地はあると思うが、とにかく従来のビジネスモデルの延長でしかネットサービスを考えられないのである。とはいえ、船を焼けば明るい未来が見えてくるのかというと、必ず見えてくるわけではない。そこが難しいところである。

ところで、日経新聞のWeb刊はそれなりに成功しているようである。従来のサービスの延長の方がオーディエンスにとっても分かりやすいので、Web刊が受け入れられているのはないかと私は推測している。ということは、今の新聞を読んでいる人しかWeb刊を買わないわけで、最初の物珍しさがおさまれば一気に衰退に向かっていく可能性さえあるわけだ。いろんな意味で日経新聞のWeb刊が試されている。

とにかく厳しい現実を理解できたメディア企業だけが這い上がることができる。それがどこになるかはまったく分からない。日経新聞が一歩リードしているような感じではあるが、どうだろうねぇ。

破壊的な変化が発生してるフェーズでは、古いものが復活するよりも、新しいものが古いものを駆逐していく方が効果的である。ウォークマンがiPodになったようなイメージだ。ソニーはなぜiPodを開発できなかったのか。それはウォークマンがあったからだと私は思っている。ソニーは昔のウォークマンを超えるウォークマンを開発しなければならないシチュエーションだったと思う。アップルはウォークマンを持っていなかったので、次世代の音楽の楽しみ方を自由に企画できたからiPodを世に出すことができたのだろう。

情報システムも古いシステムを改良するより、スクラップ&ビルドで作りなおした方が手っ取り早い場合がある。古いものに固執していては新しいものが見えなくなる。そんな諺があったような...。

とにかく、メディア企業は経営の度胸が試されている。

では、今回はここまで。
タグ:メディア


posted by やすお at 02:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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