Webベースのグループウエアを提供しているサイボウズが、多種多様なグループを構築できるWebサービス「サイボウズLive」を発表した。セカンドグループウエアと位置付けているサービスで、社内だけでなく、取引先や趣味のサークル、親類といった単位でグループを設定し、グループ内で情報交換ができるようになる。
サイボウズのプレスリリースを読んで思ったのは、「これはビジネスSNSとして使えるコンセプトのサービスだ」ということ。これまでのグループウエアは社内で使うのが前提であった。仕事上の情報を共有するのがグループウエアの目的であるので、おいそれと社外の人を参加させるわけにはいかないのは理解できる。だが、仕事は社内だけで完結することは少ない。他社と連携して仕事が進んでいくことの方が多い。その場合、関係者全員で共有したい情報があっても、社内ではグループウエアで、社外にはメールで、というように情報伝達手段が別れざるをえなかった。
サイボウズLiveは社内と社外をシームレスにつなげることができるのではないかと期待したい。もちろん、社内と社外では流せる情報が異なるので、そのコントロールをどうするのかは課題になるだろう。
LinkedInといったビジネスSNSが世の中にはある。それを活用できればいいのだが、現実にはうまくいっていない。これは、企業が使う情報共有システムはエンドユーザーが使うビジネスSNSではないからだと思う。企業が主体となって利用を推進するグループウエアから進化していかないと、使えるビジネスSNSは登場しないような気がする。
その点、サイボウズLiveは企業向けグループウエアから進化したサービスだ。完全な感想であるが、うまくいきそうな気がする。懸念すべき点は、サイボウズの1社が提供するシステムであること。すでにグループウエアはマイクロソフトからIBM、サイボウズとさまざまなベンダーの製品がインストールされている。これら複数ベンダーの製品を連携させることができるサービスが登場したとき、企業内の情報共有システムはSNSをベースにしたものに切り替わっていくだろう。
サイボウズLiveもまだまだ進化していかなくてはいかないだろうが、出発点のコンセプトの良さで秀でている。
◎参考記事