残念──。その言葉では表現しきれない気持ちがある。悲しいことに、今日(2009年11月4日)の17:00、トヨタ自動車はF1からの完全撤退を発表した。2010年のグリッドにトヨタはいない。トヨタエンジンの音も聞けない。ホンダが撤退し、トヨタが去り、そしてF1に日本のチームはいなくなってしまう。
F1撤退の発表があることは、午前中にTwitterのタイムラインで知った。日本のメディアをはじめ、海外のメディアでも「撤退か」という報道がされていた。その時点ではまだ半信半疑であったが、その後に「トヨタ自動車が記者発表をする」というニュースが流れた。ここまでくると、F1撤退は事実になることが分かったようなものだ。落ち込んだことは改めて書くまでもない。
記者発表では、山科代表がトヨタと契約している日本人ドライバー2人(中嶋一貴と小林可夢偉)について言及。涙を流して、今後も支援すると話した。
この山科代表の涙は志半ばで撤退することがくやしいのはもちろん、これまで真剣勝負をしてきたからこそ出てくる涙なのだと思う。うれしい時はにこやかに笑い、苦しい時は厳しい顔をしてきた。いつも真剣だったから素直な感情を表に出せるのだと思う。記者発表でも、あの場所にいるのが一番つらいのは山科代表だったと思う。でも、立場上、出席しないわけにはいかない。心臓をえぐり取られるくらい苦しいものだったかもしれない。
私もトヨタのF1撤退を残念に思う。トヨタ自動車の財務状況などを考えると、F1撤退もやむなしというのは頭では理解できる。私がトヨタ自動車の社長であってもF1撤退を決めるかもしれない。
ホンダがF1を撤退したときも残念に思った。今回のトヨタの撤退はホンダの徹底以上に悲しい。それは、日本の自動車メーカーが自動車レースの最高峰にいなくなるからだ。いろいろありながらも、日本では自動車産業の規模は大きい。世界的に見ても巨大な産業だ。そんな国のメーカーが参加していないF1、それは自動車レースの最高峰と言えるのだろうか。
そして、トヨタがF1撤退を発表する前に、ブリヂストンがF1へのタイヤ供給を2010年で終了すると発表している。ここでも日本のメーカーが撤退だ。F1からどんどん日本企業がいなくなっていく。これでいいのかな。2011年にタイヤを供給するメーカーは決まっていない(2009年11月4日現在)。グッドイヤーやピレリが供給することはないようだ。タイヤがなければ車は走らない。
F1は存続の危機に直面している。昨年、バジェットキャップ制というF1チームを運営するための予算上限を定めようという話が決まりかけたことがあった。最高を求めるカテゴリのレースで予算上限を決めること自体はばかげていると思う。でも、そんな理想を言っていられないほどF1は危機的な状況にあるのかもしれない。
この記事を書くのに、Twitterがかなり役立った。うれしい話題も悲しい話題もどんどん入ってくるTwitterに感謝。
そして、F1に未来があることを祈って、この記事を終わります。












