ヤフーが運営しているビジネスSNSのCUが2009年10月19日(ユーザーの招待は9月28日まで)に終了する。実名を登録させることでビジネスにおける人脈構築を狙ったのだが、失敗に終わった。日本ではなかなかビジネスSNSが根付かない。欧米ではLinkedInという成功事例があるのだが、実名制を嫌う(匿名性を好む)日本人の性質がSNSのビジネス利用を妨げているのかもしれない。
CUについて、過去に書いた記事「ヤフーのCUはLinkedInのライバルになるのかなあ」を読み返してみた。「成功しないだろう」と書いたことが、残念ながら当たってしまった。そして、このブログでまともにCUについて書いた記事は「ヤフーのビジネスSNS「CU」に招待してもらいました」だけであり、しかも「まだ登録しただけなので、詳細なレビューは後ほど」と書いておきながら、放置状態にしてしまった。過去記事にも書いたけれど、やはりコンテンツが不足した状態で、運営側のプロモーションもなければユーザーは放置して当然だと思う。そこに訪れる目的がなければ行かない。それだけである。
■日本のビジネスSNSとは
LinkedInは米国を中心に成功しているビジネスSNSだと思う。基本的には実名を登録し、自分のキャリアを公開して、人脈を広げたりビジネスチャンスを得たりするのに使われている。ほとんどの仕事は一人ではできない。人と人とのつながりの中で、人がビジネスを遂行する。なので、冷静に考えれば、仕事とSNSの親和性は高い。だが、日本では成功事例を聞いたことがない。
これも過去記事「ビジネスSNSとmixiのたった1つの違い」で指摘したが、SNSの中で構築する人間関係が仲良しクラブ的なものになりがちなことが、ビジネスSNSを難しくする原因となっていそうだ。仕事で付き合う人は、仲がいいというわけでは必ずしもない。いわゆる"仕事上のつきあい"という人間関係がある。友達にはなりたくなくても、同僚になっているケースは珍しくない。この仲良しクラブと異なる仕事のコミュニティをいかに構築できるかが、ビジネスSNSの成功につながると思う。
仲良しクラブはmixiだけで十分。いくらビジネスSNSと名乗っていても、実体がmixiと同じ機能しかなかったら、仕事では使わない。嫌いな人にマイミク申請できるかと問われたら、できない(しない)と答える人がほとんどだろう。これまで、CUを含めてビジネスSNSは、仲良しクラブの構築にしか使えなかった。それが決定的な失敗の原因だと思う。
■人だけでなく企業間のつながりも必要じゃないかな
さらに、日本特有の事情について書いてみる。LinkedInがまだ成功している部類に入るのは、欧米のビジネススタイルによるところが大きいと思う。欧米では、まず個人が表に出て仕事をする場合が多い。一方、日本では会社が前面に出て仕事を行う。日本では、○○で働いている人だから、高い技術を持っているに違いない。△△だから、真面目な人だろう・・・とまず企業名で仕事のレベルや性格を判断される。もちろん、この判断は誤っている場合が少なくない。まあ、これを悪いというわけではない。日本では、良くも悪くも企業が主体となってビジネスが回っているわけである。会社と会社の付き合いの密度は濃いと思う。
SNSは個人と個人の結びつきを表現したものである。欧米の個人で仕事をするスタイルであれば特に問題はないのだが、日本では個人が前面に出ないので、SNSとの相性が悪いのである。mixiの会員数は多くても、ビジネスSNSが流行らないのはそういった理由もあると思う。
だから、日本のビジネスSNSは、企業と企業の関係を構築するサービスにすれば、なんとなく成功しそうな気がする。個人は企業名の後ろにかくれて、組織が活動をするのである。元々仕事はチームプレイである。企業は法人という格をもっている。ならば、法人がまるで個人のようにふるまってSNS内で活動するのはありえるのではないだろうか。
いろいろ書いたけれども、欧米のサービスを輸入もしくは真似るだけではなく、日本特有の事情を考慮したサービスが出てきてもいいのではないだろうか。社会人コミュニティ「ケイレキ.jp」もおしい。mixiのように濃いソーシャルグラフを構築しないで、ゆるいながらもしっかりとしたソーシャルグラフを構築できるのは良い点。しかしながら、もう一歩、仕事に直結した何かが欲しい。まあ、デジタルネイティブ世代にとっては、これくらいの関係が気持ちいいものなのかもしれないけどね。もちろん、悪い意味で書いているのではない。楽しそうでいいなあとうらやましく思っているくらいだから。
話が別の方向に行きそうなので、今日はこれくらいにしておこうと思う。軽く書くつもりが、長くなってしまったしね。
では。







