ついに、Googleが動き出した。コンピュータの歴史において、私たちは新たな波が到来することを目撃するかもしれない。グーグルがパソコン用OSの「Chrome OS」を発表したのだ。
最初にコンピュータの天下統一を成し遂げたIBM。Windowsなどダウンサイジングという武器でIBMから盟主の座を奪ったマイクロソフト。そして、今度はグーグルがコンピュータの世界の戦いをインターネットという場所に移し、政権交代を狙っている。
その予兆は昨年からあった。2008年9月に、グーグルはWebブラウザの「Google Chrome」を発表している。そして、そのタイミングで私も記事「グーグルの新Webブラウザ「Chrome」の本当の狙いとは」を書き、これから何が起こるかを紹介した。その記事で紹介したことが現実になろうとしている。
グーグルのChrome OSは、今となっては古くなってしまったパソコンOSを作りなおすものになる。マイクロソフトはWindowsというアーキテクチャで成長してきたのはご存じだろう。しかし、インターネットの時代に、Windowsという重厚なオペレーティングシステム(OS)は不要になってきた。しかも開発されるアプリケーションはどんどんWebサービス化されている現状があり、Webアプリケーションがあれば業務向けを含めて事足りてしまう。
つまり、WebブラウザのOS化が進行している現在、パソコンというハードウエアとWebブラウザの中間に位置するWindowsなどパソコンOSは最低限の機能さえあれば十分になってきたのだ。
マイクロソフトの主力製品はWindowsであり、その上で動くオフィススイートである。Windowsがユーザーに意識されない存在になるのは怖いことだ。グーグルは逆に、パソコンOSはあくまでも陰の存在であることを認識したうえで、Webアプリケーションを動かすために最適なプラットフォームを提供しようとしている。グーグルからのメッセージは強烈である。OSの名称にWebブラウザのブランド名であるChromeを採用したのも、Webブラウザこそが次世代のOSであることをアピールするためだろう。
■本格的なクラウドの時代へ
Chrome OSにより、本格的なクラウドコンピューティング時代がくるだろう。アプリケーションやデータはすべてクラウドで提供される。ユーザーはWebブラウザ(おそらくChrome)を通じて、アプリケーションを利用し、データにアクセスする。パソコンは今でいうシンクライアント化するイメージだ。セキュリティ的にも好ましい状態になる可能性だってある。しかも、パソコンのハードディスク容量なんて気にしない、アプリケーションの更新だって各自で実施する必要はない。もしかすると、かなり便利になるのかもしれない。
Chrome OSによって、コンピュータの利用方法は大きく変わるだろう。ネットワークのインフラやテクノロジーの進化のベクトルにも影響を与える可能性だってある。単にWindowsに対抗するOSが出てきたという話ではすまないかもしれない。ITの利用方法が変わることで、IT産業の構造が変わってしまうかもしれない。
などと、さまざまな未来を予想してしまうが、正直なところインパクトが大きすぎて、なかなか整理できない。グーグルが次の政権を取ることだけが確定しているだけで、それをベースにした進化の方向はまだ見えてこない。せいぜい、先ほど書いたように、クラウドコンピューティングが本格普及するくらいのものである。
Chrome OSがパソコンメーカーやユーザーに受け入れられるかどうかは、現時点で未知数。今後どうなるか分からないが、分かる範囲で政権交代後の姿を考えてみたいと思う。長くなるので、これは次回以降で紹介する。
ということで、今回はここまで。
続きは「GoogleのChrome OSはWindowsを殺すのか(2)」でどうぞ。
◎参考記事












