2009年05月08日

ビジネス書でだめなら脳を知れ−【書評】ビジネス<勝負脳>


先日の記事「分かった!ソーシャルメディアが面白い理由」で1冊の本「ビジネス<勝負脳> (ベスト新書)」を紹介した。前回の記事で書いたように、ソーシャルメディアについて調べようと思って読んだ本ではない。仕事に役立つビジネススキルを得るためのヒントになると思い購入した。私は根っからの理系人間なので、本書の「脳科学が教える」といった理系チックなキーワードに魅了されたのも事実。何か新しい切り口で脳の機能から見たビジネススキル向上のヒントが見つかることを期待して読んでみた。

前回も書いたが、目からうろこが落ちたのは「この世の中の構造や仕組みは、すべて人間の脳が考え出したもの」ということ。そして、脳が本能的に持っている欲求は3つしかなく、その3つとは「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」であること。その2点が最も気になった部分である。

「生きたい」と「知りたい」から科学が生まれ、「知りたい」と「仲間になりたい」から文化が生まれ、「生きたい」と「仲間になりたい」から宗教が生まれたと説明している。さらに、それらを組み合わせたり、組み合わせの配分を変化させたりすることで世の中の"仕組み"が出来上がっているとのことだ。日本人のムラ社会と西洋人の個人主義も「仲間になりたい」が強いのか、「生きたい」が強いのかの配分の差で説明がつくという。これら脳の3つの欲求を満たすような世の中になっているのが自然であり、安定した状態であると著者はいう。

逆にいえば、これらを満たさない仕組みは不自然なので、いつかはその仕組みは崩壊する運命にあるらしい。たとえば、日本の会社で導入された米国式会社経営や成果主義などだ。これらは欧米の文化に適しており、欧米人の脳は気持ちよく感じる制度である。一方、日本人の「仲間になりたい」が強い脳は不快に感じるという。確かに、成果主義がうまくいっている例を聞いたことはないし、自分も完全成果主義が自分の会社に導入されたら、居心地が悪いと感じると想像できる。なるほど。脳の機能は奥が深い。

本書は、脳の3つの本能をベースに、ビジネスにおいてリーダーになるためにはどのようなことに気をつければいいのか書かれている。著者は、リーダーになるためのヒントが書かれたビジネス書はたくさん出ている割に、立派なリーダーがたくさん登場しないのは、そもそも方法論に誤りがあるとバッサリと切っている。

ビジネス書をたくさん読んでいるのに、自分は何も変わってないと感じている人は、視点を変えたスキルアップができるようになるのではないだろうか。本書の後半では、あくまでも脳の機能から考えて、どのような行動をすべきかを解説している。「否定語を使わない」など、実践するのが難しそうな項目もあるが、心に留めておいて損はない。

今回は、このブログのテーマにあまり合わないけれど、いつもと異なる視点でソーシャルメディアを見ることができた本を紹介した。



posted by やすお at 03:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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