2009年04月09日

ポストPCを狙う意外な伏兵


Yahoo!の動きを見ていると面白いなと思う。テレビ向けのインターネットサービス「テレビ版Yahoo! JAPAN」(http://dtv.yahoo.co.jp)を発表したからだ。どこでもヤフーを使えるようにするという同社の戦略のもとに整備されたサービスの1つである。ネットの入り口が増えることは歓迎すべきことだと思う。

インターネットサービスの主戦場はパソコンから携帯電話に移りつつあるが、テレビの存在も忘れてはいけない。アナログ放送が停止する2011年7月になると、インターネット接続を標準で使えるテレビがかなりの台数で普及している。Wiiなどの家庭用ゲーム機を合わせると、表示装置としてテレビを使ったインターネット接続環境はかなり整うとみてよい。

もちろん、インターネット利用環境として、ポストPCが携帯電話にならないわけではない。携帯電話とテレビ、そしてPCがネット接続機器として主要な地位にいることで、インターネットへの入り口が多様化し、ネットの利用形態も多様化する。

携帯電話とテレビはお互いの存在を否定するものではない。携帯電話は個人のツールとして、個人が自分のために情報を入手したり、コミュニケーションをとったりするのに使う。一方、テレビはまだまだリビングの主役でいる。個人のツールというよりは、複数で楽しむのに向く。

テレビでのインターネットはこれまでのテレビ視聴スタイルの延長となるだろう。テレビ番組はさまざまなジャンルがあるが、テレビでなければならないのは、大勢で盛り上がりたいスポーツ中継や、映画鑑賞などだろう。ニュースもテレビの方が映像で訴える分、分かりやすい場合もある。なので、テレビでのインターネットでも、スポーツ中継のように大勢で盛り上がれるコンテンツが消費されるのだろう。複数の人間が集まってコラボレーションするアプリケーションの普及もありえる。SNSのテレビ版になるかどうか分からないが、複数の人間が共通の目的で集まるためのツールになる可能性がある。大勢集まって1つの画面を見るスタイルはパソコンでも実現しにくいものだ。テレビならではの優位性だと思う。

テレビを表示装置としたインターネットサービスは、まだアプリケーションがほとんどないに等しいので、これからどうなるか分からない。普及するとすれば、大画面を生かした複数の人が同時に視聴するのを目的としたアプリケーションが登場するかどうかだと思う。Wiiのようなゲームは家族で楽しめるソフトも多いので、テレビのインターネットサービスは、ゲームプレーヤ同士がつながって家族対抗戦ができるといったものになるだろう。現在あるサービスで例えるとそんなイメージになる。

さて、テレビ向けインターネットサービスはうまくいくだろうか。携帯電話向けの情報サービスといえば、iモードを一番に挙げる人は多い。誰でも知っているサービスといってもいいだろう。そして、固定電話向けに「Lモード」というサービスもある。まさに固定電話版iモードなのだが、まったく普及しなかった。Lモードは2010年3月でサービスを終了する。Lモードの失敗は、固定電話の特徴を生かしたサービスを提供できなかったことだと思う。情報を入手するだけなら、携帯電話だけで十分、わざわざLモードを使うことはなかったということだ。

ヤフーの「テレビ版Yahoo! JAPAN」がLモードにならないように、ヤフーにはテレビならではのアプリケーションを提供してほしい。携帯電話の小さい画面では実現できないこと、複数の人が同時に使う装置なら実現でいることを整理して、面白いサービスを提供してもらいたい。

◎参考記事
テレビ版Yahoo! JAPANサービス始動--Yahoo! 検索などテレビ向けに

posted by やすお at 03:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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