2010年08月03日

多重人格のすすめ

タイトルからは想像できないが、前回の「ジョハリの窓をネットコミュニケーションが変える(ポジティブ版)」の続きである。まず前回の話を振りかえろう。

自分を開示することで自分を知り、他人にも自分を知ってもらえる。ネットでのコミュニケーションは地理的障壁を越えられる。だから、ソーシャルメディアは全世界の人と分かりあえるというのが前回の話。こんな感じでまとめると、ありえない話であることがよく分かる。正確にはありえないのではなく、ソーシャルメディアがそんな力を持っていることを容認できない感じかな。

では、なぜ前回は夢物語を語ることができたのだろうか。

ジョハリの窓を二次元で考えたのが原因だと思う。窓なのだから二次元のようなものだから仕方がない。また、ジョハリの窓に出てくる他人とネットでつながっている人を同じ「他人」と表現したのが誤りだったかもしれない。ジョハリの窓でいう他人とは実際に顔をあわせたことがある人を示している可能性が高い。しかし、私が他人と表現した人はネットだけの関係も含む。顔馴染みの関係とネットでの人間関係は異なると思う。

まず、ネット上での自分と他人が知っている自己は、基本的にはSNSなどのプロフィール情報がメインになる。プロフィール情報は自分が記入するものだ。ここに出す情報は自分がコントロールできる。例えば、自分が自覚している自分のマイナス面は書かなくてもよい。それが顔馴染みだったら知っていて当然のことでも開示する必要はない。

つまり、ネットでは公開したくないことは隠しておける。自分と他人が同時に認識する自己は、自分が開示した範囲を越えることがない。

一方、公開しなかった自己、つまり、自分は知っているが他人は知らない自分だが、顔馴染みが知らない自己より範囲が広くなる。他人に知られていない自己が大きくなるわけだ。ネットの匿名性が高くなるのも納得である。

自分は知らないが他人が知っている自己はどうだろうか。これも自分から情報公開しない限り狭いままである。しかし、これはプロフィール情報の書き込み以外の活動によって広くなる可能性がある。例えば、Twitterでのつぶやき。何気ない書き込みにその人の性格が出てしまう場合がある。自分が気がつかないうちに、ネットだけの関係の人々の間で、自分の人格が形成されてしまうこともありえる。まるで別人のような自分をイメージを作られる場合もある。良いか悪いかは別にして、他人が知っている自分を知る機会にもなるだろう。これはネットの活動を通じて、新たな自分を発見することにつながる。

最後に、自分も他人も知らない自己はネットではどうなるだろうか。これは顔なじみ同士を前提としたジョハリの窓と大差ないと思う。ただし、自分が公開する情報が限定的である以上、この窓も比較的広めになるだろう。まあこの部分は分からない方がいいのかもしれないけれど。

■ネットの人格、リアルの人格

リアル人脈におけるジョハリの窓とネットコミュニケーションでのそれとは形状が異なることはお分かりになったと思う。同じジョハリの窓で自分を表現できないということは、飛んだ話をすれば、リアル人脈内での自分とネット人脈内での自分は異なる人格を持つとも言える。

私はそれでいいと思う。もっと言えば、ネットとリアルの2つに分けるのではなく、ネットのサービスごとに人格があってもいいと思う。

例えば、mixiとTwitterでの人格は同じである必要はない。それはサービスごとに人と人のつながり方に特徴があるからである。mixiのように強いつながりを求めるサービスは比較的リアルな人格に近い。どちらかというと家の外にいるオフィシャルな自分に近い人格で日記を書いたりするだろう。 Twitterのようにゆるいつながりを持つサービスは、リアル人脈に関係なく本能的なコミュニケーションをすることが多い。もちろん、人それぞれなのがソーシャルメディアのいいところであるので、Twitterが自分のオフィシャルサイトになっている人もいるし、mixiを自分の隠したい人格での活動に使っている人だっているだろう。隠したいことでもmixiなら同じようなことを考えている人がきっといるだろうから、隠したい人格でコミュニティを形成できるのである。

ソーシャルメディアが当たり前のように使われるようになって、リアルな人間関係だけでなく、ネットでの人間関係も生まれてきている。もちろん、ネットとリアルを共有している関係だってある。そこまで含めるとかなり複雑な人間関係が存在することになる。これからのネット社会を考えると、人格をどう見せるのかコントロールするスキルが要求されるのかもしれない。

さて、我ながらぶっ飛んだことを書いたような気がする。賛否両論があるだろうし、私が間違った解釈をしているところもあるだろう。これも一つの意見として寛大な心で読んでいただけると幸いである。

では、今回はここまで。

posted by やすお at 02:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | ソーシャルメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



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