2008年09月30日

Twitterはメディアなのか、コミュニケーション手段なのか(後編)

前回はコミュニケーション手段としてのTwitterについて考えてみた。今回は、メディアとしてのTwitterを考えてみようと思います。ここでのメディアは、ある特定の人が不特定多数に向かって情報発信することとします。新聞や雑誌といった従来からある典型的なメディアやブログが該当します。

Twitterの誰にあてるともなくつぶやかれる内容は、ユーザー側から見ると、まさに不特定多数への情報発信です。ここに疑いの余地はありません。そもそも、Twitterは日本ではミニブログと呼ばれ、海外ではTwitterすることをMicro bloggingと言ったりします。Twitterはブログの新しい形態と考えられているわけです。

ブログと決定的に異なるのは、前回書いたように、Twitterはコミュニケーション機能を有すること。単なる情報発信だけでなく、情報を受け取る側からのフィードバックが帰る場合があることです。ブログでもメールアドレスを公開したり、コメントやトラックバックを受け付けたりなど、双方向のコミュニケーションができるようにはなっています。ただし、Twitterほどリアルタイム性が高いコミュニケーションができるわけではありません。そういう意味ではブログは広い意味ではコミュニケーションツールですが、狭い意味ではコミュニケーション機能は持っていないと考えることができます。

さて、メディアとコミュニケーション手段の両方の性格を持つTwitter。これで何ができるのでしょうか。

例えば、何か知りたいことがあるとします。でも誰に聞いていいのか、どう調べたらいいのか分からないことも結構あります。その場合、Twitterで知りたいことをつぶやくと、誰かが正解を返してくれると便利です。質問内容をTwitterで発信し、コミュニケーション機能を使ってTwitterユーザーが回答する。Twitterでつながっている人同士は基本的には信用できる間柄なので、その人の回答であればある程度信用できます。しかも、質問を投げてから回答を得るまでにほとんど時間はかかりません。

Twitterでつながっているのもソーシャルグラフの1種です。TwitterはmixiやFacebookと比べて、気軽にFollowできる文化があります。ですので、大きなソーシャルグラフを構築することができます。

質問を投げる人から見れば、Twitterユーザーがいる空間はとても大きな空間です。ユーザーごとにソーシャルグラフの大きさは異なりますが、誰かは自分の疑問に答えてくれるだろうという期待ができるくらいの大きさにはすぐに育ちます。群衆の英知を活用できるわけです。ソーシャルグラフを大きくできるTwitterならではのサービスになるのではないかと思っています。

Twitterがメディアとして使われるのは、現状ではニュースサイトやブログが新しい記事を投稿したときに新着情報を伝えるくらいです。これは従来のメディアの域を超えていません。せっかくコミュニケーション機能があるので、もっとその利点を活用すれば、これまでにない新しいビジネスができあがるかもしれません。

コンピュータの利用方法としてクラウド・コンピューティングがあります。大量のサーバーを1つにまとめてアプリケーションを動かす手法です。Twitterユーザーの1人一人がサーバー1台分になると考えてみましょう。Twitterユーザーが集まっているクラウドに対して疑問を投げると、Twitterクラウドから答えが返ってくるわけです。

クラウド・コンピューティングでは、サーバー1台の状況は知ることができません。一方、Twitterクラウドであれば、個人がそれなりに主張をするので、クラウド・コンピューティングで言うところの1個人が、まったく埋もれてしまうことを避けられます。インテリジェントなクラウドといってもいいでしょう。そこに、現在のクラウド・コンピューティングと異なる分野の活用方法があるように思えます。

Twitter自体は単純なアプリケーションですが、コミュニケーションとメディアという似ているようで似ていないものをつなげられる新しい仕組みです。できることが限られているので、逆に用途が広がっている好例だと思います。実際にはどのように発展するのか分かりませんが、私が想像できなかったことが起こるかもしれません。いや、起こって欲しいです。その方が楽しそうだから。

posted by やすお at 01:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | Twitterなどミニブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月29日

Twitterはメディアなのか、コミュニケーション手段なのか(前編)

Twitterって何だろう。ふとした時にこんな基本的な疑問が湧いてきました。結論から言うと、Twitterはコミュニケーション手段とメディアという2つの面を持っているサービスといえそうです。Twitterは単純な機能ですが、その楽しさや実用性を伝えるのは難しいです。私はコミュニケーションの手段としてのTwitterとメディアとしてのTwitterというのを分けて考えてはどうか思っています。この分類で考えると、いかにTwitterが新しいコミュニケーション手段であり、メディアになる可能性があるのかが見えきます。もちろん、このような分類ではなく別の方法を使う人もいるでしょう。ここはあくまでも私の解釈を紹介します。また、ここではTwitterをマイクロブログ(ミニブログ)の代表として取り上げます。他のサービスについてもほぼ同じ解釈ができると思います。

さて、書いているうちに長くなってきたので、何回かに分けて記事を投稿します。今回は、コミュニケーション手段としてのTwitterを考えます。ここでいうコミュニケーションとは、主に1対1で情報のやりとりをする手段とします。1対多については、メディアとしてのTwitterと考え、次回以降のエントリで紹介します。

■1対1のコミュニケーション手段としてのTwitter
インターネットが普及する前、1対1のコミュニケーションで、かつリアルタイムに進行する手段の代表は、人に会って話をすることでした。ただし、会って話すには地理的に近い場所にいなければ成立しません。それを解消したのが電話です。ただし、電話だと音声でしかコミュニケーションできません。地理的なものを解消し、リアルタイムのコミュニケーションを実現させるには、メッセンジャー(チャット)が必要になってきました。これなら、リアルタイムに、文字情報や音声をやりとりできます。最近では写真などもメッセンジャー(チャット)で扱えるようになっています。現在では、リアルタイムコミュニケーションの手段としてもっとも優れているのはメッセンジャー(チャット)ではないでしょうか。

さて、メッセンジャーはリアルタイムでコミュニケーションできるのが利点ですが、逆にそれが弱点にもなります。コミュニケーションに関わるもの全員が同じ時間の流れを共有しなければならないからです。

■リアルタイムじゃないコミュニケーションの方が多いのでは?
実は、リアルタイムで情報を伝達しなければならない機会はそれほど多くないのではないでしょうか。ビジネスではメインのコミュニケーション手段がメールになっている人もいると思います。緊急の用事でもないかぎりメールで用事を済ます場合は多いですし、それで仕事がまわっているのも事実です。メールだと記録に残るという利点もありますね。

会って話すことは重要だけれども、文書によるコミュニケーションも記録を残せるという意味で重要です。地理的なものを超えられる電子メールというコミュニケーションはある意味で理想的なコミュニケーション手段といえるでしょう。

■では、Twitterとは何なのでしょうか

では、コミュニケーション手段としてのTwitterとは何なのでしょうか。これは、ほぼリアルタイムに近いコミュニケーションができる手段であるといえると思います。Twitterは基本的にはオープンなコミュニティですが、ダイレクトメッセージという第三者に公開しないメッセージのやりとりができたり、オープンになってしまうけれど、特定の人にメッセージを返したりできる返信機能があります。

メッセンジャー(チャット)だと、お互いが知り合いでないと基本的には会話ができません。Twitterのアカウントは公開されていることが多いので、その気になれば誰にでもダイレクトメッセージや返信を送ることができます。メールに近いことができますが、メールほど堅苦しいものでもありません。

現状ではTwitterをコミュニケーション手段としてビジネスの現場で使うことはまずないでしょうが、認知されていけば、変わるかもしれません。メールアドレスを持っている人が珍しかったころは、ビジネスでメールは使えないと言われていました。当時は、メールを送信したら、電話でメールを送りましたと確認していた人もいたくらいです。今はそんなことをする人はほとんどいないでしょう。Twitterも将来は普通に使っているかもしれません。

さて、コミュニケーション手段としてのTwitterを紹介しましたが、実はTwitterのすごさはコミュニケーション手段というよりも、メディアとして見た場合の方が面白いと思います。コミュニケーション手段を持つメディアといえばいいのかもしれません。コミュニケーション手段とメディア機能が融合することで新しいものが生み出されたイメージです。Twitterの面白さや実用性もそこにあるのかもしれないと思っています。

次回はそのあたりを紹介したいと思っています。
今回は中途半端な記事になってしまい、大変申し訳ありません。次の投稿の前置きだと思って下されば幸いです。

posted by やすお at 03:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | Twitterなどミニブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月26日

新しいWebサービスがどんどん登場するのはいいのだけど

今日もたくさんのWebサービスが立ち上がっています。大きめに報道される分だけでも"いくつも"のWebサービスがある。今日立ち上がったサービスが3年後に生き残っている確率は低いだろう。Googleだってやっと10年経っただけなのだしね。TechCrunchが主催のTechCrunch50でもスタートアップ企業が紹介された。これらのサービスが3年後に残っているかは微妙なところだ。

私が気になっているのは、新しいWebサービスは立ち上げっぱなしになっていないだろうかということ。サービス提供者は、Webサービスを人に知らしめるために、サービス概要などをWebサイトで派手に説明し、ニュースサイトやブログではニュースとして新しいWebサイトを紹介する。インターネットの中の人から見れば、派手なイベントになっている状態である。アーリーアダプターがこぞって新しいWebサービスに登録し、何か面白いことができないか探っているフェーズである。

Webサービスが3年後にも生き残っているためには、アーリーアダプターだけでなくもっと一般のユーザーに使われている状態まで持っていく必要がある。それが今のところ十分でないような気がするのだ。私もどちらかというと新しいWebサービスが登場すると試したくなるアーリーアダプターだと思う。このブログでも新しく登場したWebサービスの紹介をしたことがある。自分の反省を踏まえると、FacebookやTwitterのようにすっかりと定着したサービスについては、比較的継続して取り上げているかと思う。しかし、アーリーアダプターに使われているだけの状態のサービスを継続的にブログで紹介することはしていない。それがたとえ気に入ったWebサービスであったとしてもだ。

アーリーアダプター同士で批評しているだけなら、すばらしいWebサービスであっても普及する可能性は小さいと思う。では、どうすればいいのか。ブロガーの責任を放り出すようで申し訳ないのだが、Webサービス運営者がもっと情報発信をしなければならないのだと思う。サービス内容の紹介だけでなく、例えば企業内での活用方法、企業システムとシームレスに接続するための手順、一般消費者向けのサービスであれば、継続的にサービスを利用するための仕組みなどを提供しなければならないと思う。ある意味、地味な活動であり、ニュースサイトやブログで取り上げにくい情報の発信だと思う。でも、地味な活動を地道にコツコツとやっておかなければ、アーリーアダプターでさえ離れていってしまうだろう。

ブロガーの一人として、面白いWebサービスのユーザーとして、書きっぱなしにしないことを肝に銘じたいと思う。本当に面白いものは一般に普及することでもっと面白くなる。微力ながらいいものを普及させるために、地道にブログを書いていこうと思う。でも、一番の問題は、継続的に紹介したくなるWebサービスがどれだけ出てくるかだったりする。新しく登場したWebサービスがすばらしいものになるかどうかは自分の観察眼などが問われるわけで、それを鍛えなきゃとも思う。
タグ:Webサービス


posted by やすお at 02:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月25日

つながっている・・・だから怠慢になっちゃうのか

インターンシップで私が勤める会社に来ている学生さんがいた。自分の部署に来ていたわけではなく、私が関わっている部署に配属になった。私が関連するプロジェクトの仕事を手伝っていたのだが、確か、今日でインターン生活が終わったと聞いている。彼はインターンシップで何かを学べたのだろうか。

さて、インターンシップで来ていた人を加藤くん(仮名)としておこう。今日でインターンシップが終わることをそれとなく知っていたので、加藤くん(仮名)にどこかで「お疲れさま」と声をかけようと思っていた。だが、あいにく私が仕事であっぷあっぷしていたので、気が付けばすでに会社を去った後のようだった。加藤くん(仮名)とは部署が異なっているし、私が関わっているプロジェクトを手伝っていたとはいえ、プロジェクト自体は私から見ると他部署がメインで動かしているので、それほど仕事で深く接触することもなかった。携帯電話の番号やメールアドレスを聞いたわけではないので、直接連絡を取ることができない。しかし、某SNSでつながりを持つことだけはやっておいた。

ちょっと前なら、このような状況だと、ふとしたときに「あいつは元気でやっているのかなあ」と遠くを見ながら思い出すだけになってしまうのだが、今回は某SNSでつながっているので、正直なところ「いつでも声はかけられる」と思った。これがSNSのメリットといえばそれまでなのだが、何か重要なことが欠けているような気がする。義理人情の世界であれば、最終日に声をかけないのは礼儀を欠いていると思う。SNSでつながっているというだけで、「いつでも連絡できるから、最終日だけど何もしなくていいや」と思ってしまうのは、(自分のことは完全に棚に上げて)いかがなものだろか。

通常の場合、SNSは人間関係を濃くするツールなのだが、逆にSNSがあるゆえに薄くなっていないだろうかと、今回の件で感じた。人間関係を構築・維持するのに怠慢になってはいないだろうかと。SNSでつながっていることは、SNSがサービスを提供している限り、つながっている人と連絡を取れることを意味する。この妙な安心感が、逆に人と人とのコミュニケーションを薄くしているのではなかろうかと。

じゃあ、どうすればいいのだろうか。例えば、1年以上も2者間でメッセージのやり取りがない場合は、つながりを自動で切ってしまうなどの方法が考えられる。そうすれば、本当につながっていなければならない人たちだけでソーシャルグラフを構成できるし、SNS自体もメッセージのやり取りが増えて活性化するだろう。思いつきの割にはいいアイデアのような気がしてきた。

ちなみに、加藤くん(仮名)には某SNSで「おつかれさま」と伝えた。SNSでしか挨拶できなかった悔いは残るが、何もやらないよりはマシだろう。と、自己弁護をしておく。

posted by やすお at 01:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | SNS一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月24日

Android端末が正式発表、安ければ使いたいな

ついにグーグルインフラのAndroid携帯電話が正式に発表されました。T-mobileの「T-Mobile G1 with Google」端末です。製造はHTC社です。

写真などを見る限り、見た目は普通のスマートフォンです。使い勝手などはまったくわかりませんが、グーグルのサービスを日ごろから使っている人にはいいんじゃないかなと思います。競合はiPhoneになるのですが、グーグル好きの人にはAndroidの方が便利だと思います。あと、キーボードがついていないと我慢できないような文字入力ヘビーユーザーにも受けるのかもしれません。

日本での販売は不明ですが、Android端末であればHTC社に頼らなくても、国内メーカーが対応端末を開発し、キャリアにおさめればそれでいいだけのような気がします。

そもそもスマートフォンが日本で使われるようになるのかが不透明です。ウィルコムの「W-ZERO3」や「WILLCOM 03」、ソフトバンクのiPhone(製造はアップル)など、スマートフォンは日本にも存在します。しかし、どちらかというとアーリーアダプタ層の利用にととどまっているのが現状かなと感じています。iPhoneのように圧倒的なブランド力を持ってしても、思ったほど普及が進んでいないようです。こういう現実を見ると、国内キャリアは日本で必要なスマートフォンの製品企画から考え直さなければならないのかもしれません。

ガラパゴス携帯電話といわれている日本の携帯電話ですが、必要だったから独自の進化をしたわけであって、鎖国をしていて近代文明に乗り遅れたわけではありません。日本の事情に合わせて進化した結果なので、海外から入ってきた外来種は日本の事情に合わないのかもしれません。生物であれば生き残れません。

ちなみに、iPhoneはしばらく様子見を決めている私ですが、AndroidについてはiPhoneよりは期待しています。Androidは携帯電話のOSみたいなものです。iPhoneは1社での開発ですが、Android端末は全世界の端末メーカーが開発します。私の気に入る端末もきっと出てくるだろうと密かに期待しているわけです。

その前に、日本でAndroid端末が1台も出なければそれまでです。WILLCOM 03のきょう体でAndroid端末が出ればいいのに。キャリアはNTTドコモだと私には都合がいいな。で、できるだけ安く提供して欲しい。

2008年09月22日

ソーシャルメディアにどっぷりの1日

仕事が終わらないので、日曜日は仕事をしていた。家にいなければならない用事もあったので、会社へは行かずに家で仕事をすることにした。子供が38度以上の熱を出しているときに仕事というのも非情な話であるが、仕方がない。息子には「大人は休みの日でも仕事をしなきゃならんときがある」と強引に言い聞かせてしまった。親としては失格だが、納期を破ってビジネスマン失格になるわけにもいかない。息子には、「ご飯は一緒に食べよう」ということで妥協してもらったので、会社に行くことができなかった。会社に行っちゃうと晩御飯には間に合わなくなるからね。それが長距離通勤のつらいところである。

さて、仕事は自分の部屋でやっていたわけだが、自分の部屋にはラジカセなど音楽を流す機器がない。なので、パソコンで再生するわけだが、今日はちょっと考えて、音楽のSNSであるLast.fmのストリーミングで音楽を流すことにした。Last.fmでは自分の好みのアーティストに似た音楽を流すことができる。これまでLast.fmはあまり使わなかったのだが、これは便利だと実感した。仕事中なのでやかましい音楽は聞けない。仕事を邪魔しない音楽で自分の好みのものとなると、なかなか選曲が難しい。これをLast.fmは自動的にやってくれるのだ。

結果は自分が心地よくなる音楽をずっと流してくれて、仕事も予想以上にはかどった。仕事の合間にmixiで日記を書くこともできたし、Facebookでいろんなこともできたし。Facebookではフレンドも増えてしまいました。

そして、このブログを書いて本日はおしまい。Last.fmから始まり、mixi、Facebook、ブログへとつながるソーシャルメディア三昧をしてしまいました。そういえば、Twitterにもちょこっと書き込んだなあ。

こんな1日でしたが、家族団らん(晩御飯だけだが)の時間もとれたし、たまには家で仕事をするのもいいかなと不謹慎なことを考えてしまいました。


息子よ。火曜日は休めるから、その日はいっぱい遊ぼう。でも、ちゃんと風邪を治すんだぞ。

posted by やすお at 02:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | SNS一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月19日

ソーシャルメディアが奪うポータルサイトの座

海外のニュースサイトを中心にコンテンツのオープン化が進んでいます。すでに音楽の世界ではストリーミングで流すのであれば無料でOKというコンセンサスを得られつつあります。

ニュースサイトでは会員登録をすると自分好みのコンテンツを配置できるMYページ機能を持つところが増えてきました。New York TimesのMYページ機能である「MY Times」では、Washington PostやWall Street JournalのRSSフィードをMY Timesに組み込んで表示することができます。BusinessWeekもMYページ「Business Exchange」を公開しています。BusinessWeekの「Business Exchange」は、MYページというよりも、ソーシャルネットワーク(SNS)に近いです。会員になってトピックを作成したり、すでにあるトピックスに関連記事を投稿したりするなど、ソーシャルニュースの機能を盛り込んでいます。当然ですがBusinessWeekのBusiness Exchangeでも他サイトの記事を投稿することができます。

さて、両サイトも他サイトへのリンクをOKしているのが重要です。コンテンツのオープン化は避けられないのであれば、いかにオーディエンスを自社サイトに引き止めておくのかがキーになります。

ここで、オーディエンスの立場になってみましょう。自分が知りたい情報をどこから入手するのかを考えてみます。最近はYahoo!などのポータルに流れるニュースを読んで仕事に生かす人が増えました。これからはどうでしょうか。情報収集の達人といわれるような一部の人々はソーシャルメディアで紹介されているニュースを読んでいることでしょう。自分が欲しいニュースを的確に探し出すための新しい習慣になっている人もいる可能性があります。そうなると、ソーシャルメディアは旧来のポータルが持っている"インターネットへの入り口"という機能を持たざるを得なくなります。ニュースサイトは、ユーザーがどのサイトからアクセスを始めるのか、その最初の一歩をおさえるのが重要になってきます。最初のアクセスがあった場合、自社の記事をたくさん読んでもらうための仕組みも必要になります。

これはポータルサイトの座をソーシャルメディアが侵略しているのと同じではないでしょうか。ポータルになるのであれば、オーディエンスの最初の1アクセスをもらうために、自社だけでなく関連する他社の情報を自サイトに載せるのは自明でしょう。つまり、ワンストップで記事を読んでもらうために必要なことです。

もちろん、最初に記事を読むのはメールマガジンだったり、RSSリーダーであったり、アクセスする手段は様々です。その多様な手段から最初の1アクセスをもらうためには、やはり読みたくなるすぐれたコンテンツを提供することが重要になると思います。ということは、ニュースサイトは地道にコンテンツの質を上げていくことが、ユーザーのトラフィックを得る早道になるかもしれません。

さまざまなWebサイトがソーシャル○○を実現しようと浮き足立っています。ユーザーを囲い込みながら適切な情報・広告配信ができるプラットフォームになりえるので、注目されるのは仕方がないのかもしれません。

posted by やすお at 01:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月18日

雨どいと肉球とフクロウとThinkPad

記事のタイトルだけでは何のことやら分からないと思いますが、これがなんと全部つながっていくのです。そんな不思議な体験をしてきましたので報告します。

実は、9月17日(水)、アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)が主催する「ThinkPadブロガーミーティング」に参加してきました。レノボ・ジャパンの大和事業所でThinkPadを開発している責任者の方に、ThinkPadの技術的な濃い部分を説明していただきました。

Lenovo Japanさて、ThinkPadは元々IBMのブランドでした。ご存知の通り、IBMはパソコン事業をレノボ・グループに売却し、ThinkPadブランドもレノボに移っています。ThinkPadはレノボのものとなりましたが、開発拠点は日本の大和事業所のまま変わっていないし、開発スタッフもほぼそのままだそうです。大和事業所の中はIBMとレノボが同居している形になるのですが、徐々にレノボのスタッフがいる面積の方が広くなっているという余談もありました。ついでに言うと、私の自宅から大和事業所へは歩いていける距離にありまして、見慣れている建物の中にいる人と話ができたのもうれしかったです。

さて、私の余談もここまでにして、記事タイトルの「雨どい」と「肉球」と「フクロウ」の話をしましょう。このキーワード、レノボの、正確には日本のものづくりの魂がはいっているといっても過言でありません。日本の開発スタッフだからThinkPadがThinkPadとして存在できているといえます。

まず「雨どい」。これは、キーボードの上にお茶などをこぼしたときに本体を壊さないように液体を排出する仕組み「ThinkPadドレインシステム」を示します。これは雨水を屋根にためないで効率よく下水や地面に排出する雨どいからヒントを得ています。ThinkPadでは液体をこぼしたときに、本体の裏に液体を排出するための道を用意しています。なので、キーボードに上にお茶をこぼしても、本体の重要な部品を濡らすことなく本体裏面からお茶を排出できます。デモ映像をみると、こぼした液体が本体にしみこんで裏からしたたり落ちているように見えます。でも、本体は壊れません。

次に「肉球」。これは猫の肉球にように、しっかりと地面などをホールドしながら、しなやかに歩くときのショックを和らげるものを示します。具体的には本体の底面についているゴム足です。また、ノートパソコンでもっとも重要な部品だと、レノボでは考えているハードディスクドライブをマウントするのにもこのゴム足を使って、耐衝撃性を上げています。

そして、「フクロウ」。これは、フクロウが音を立てずに獲物を近づくのをモチーフにして、冷却性能を保ちながら、冷却ファンをできるだけ静かに動かすテクノロジー「ThinkPad Owl Silent Technology」が開発されました。他社製品と比較して、冷却性能と騒音レベルを高いレベルでバランスをたもっているとのことです。

ThinkPadにはこの3つの技術以外にも、キーボードのタッチ感やキートップの形状、マザーボードの取り付け方法など、細かいところまで配慮して設計されているとのことでした。

日本のものづくりがここにあるのではないかなと思います。そういえば、トヨタ自動車もアルプス越えをする渡り鳥「アハネヅル」を研究して、自動車の開発の参考にしているそうです。レノボも自然界に解を求めるところなど、ものづくりの最先端を感じさせるエピソードでした。

さて、このブログではネットの未来を見ていこうというのが主旨です。今回、ハードウエアを取り上げたのは、ネットを使う上でパソコンは欠かせないものだと思っているからです。AMNのブロガーミーティングに参加したから書くという理由もあるのですが、ハードウエアの進化なしにネットの進化もないと思っているので、改めてというか自分の勉強のためにメモを残す次第です。

また、人がネットとつながるときも、実際に人が触れるのはハードウエアです。インターネットに接続するのに、最近では携帯電話を使うことが多くなってきてはいますが、やはりパソコンの方が便利であるし、企業内ではまだまだパソコンが主流です。おそらく、仕事でパソコンの代わりに、iPhoneやグーグルのAndroid携帯を使うことはないでしょう。

なので、パソコンを触っていて感じること、つまりハードウエアのデキがネットの利用形態を左右することになるかもしれないのです。操作していて苦痛を感じるようなら、パソコンはみんなからそっぽを向かれてしまうでしょう。ユーザーに対するハードウエアのおもてなしがあり、その上でOSやアプリケーションのおもてなしがあります。それらのどれかが不十分だとユーザーは不満に感じることでしょう。

入り口であるハードウエアは特に重要な部分だと思います。そこは日本のものづくりが一歩進んでいます。製品の安さだけみれば他国で製造された製品に負けてしまうかもしれませんが、設計段階の品質はまだ世界と戦えるのだなと大和事業所の開発スタッフの言葉を聞いて感じました。

なんかThinkPadの宣伝みたいになってしまいましたが、ハードウエアはまだまだ進化をするのだなと確信しました。

posted by やすお at 02:31 | Comment(0) | TrackBack(1) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月17日

生き残りは難しいスタートアップ企業 − TechCrunch50と40のリストを眺めて

TechCrunchで、スタートアップ企業のワールドカップともいえるイベント「TechCrunch50」が開催された。ここで紹介された企業はしばらく話題になるに違いない。ベータ版をリリースしている場合は、ユーザーが爆発的に増えることを覚悟しなければならないくらいだ。

さて、今年のTechCrunch50で、めでたくプレゼンテーションの機会を得られた企業は、TechCrunchのWebサイトに記載されているので、ここを見て欲しい。ちなみに、優勝は企業向けTwitterといえる「Yammer」である。このブログでもYammerについて記事を書いたので、詳細はこちらを参照してほしい。

さて、昨年(2007年)は、TechCrunch40が開催されている。ここで取り上げられた企業もまだTechCrunchのWebサイトにあるので、ざっとながめて欲しい。現在でもまだ話題になっている企業はあるだろうか。

正直なところ、いくつかの企業しかもう記憶にないのではないだろうか。もちろん、私が知らないだけなのかもしれないし、日本で話題になっていないだけで海外ではものすごい数のユーザーをかかえているとか、あるかもしれない。だが、その可能性は低いだろう。話題になっていれば、海外のニュースサイトなどで取り上げられるだろうから。

ということは、今年のTechCrunch50に選ばれた企業が1年後に生き残っている可能性はかなり小さいと予想できる。Yammer以外にもPopegoなどが話題にはなったが、これから浸透していくかどうかが課題である。Yammerは仕組みが簡単なだけに競合他社がどんどん出てくる可能性がある。また、Popegoは似たようなサービスを提供するサービスはすでにいくつもある。

きびしい競争を勝ち抜かなければ成功はないといえるスタートアップ企業。これからは生き残るための本当の戦いが始まる。どの企業もがんばって欲しい。そして、日本でも元気なスタートアップが登場することを期待したい。幸いなことに、今年のTechCrunch50では3社の日本企業が参加した。来年はどうだろうか。

以下、日本から参加した企業へのリンクを紹介する。

■Opentrace (Rinen)
OpenTrace

■Sekai Camera (Tonchidot)

tonchidot/セカイカメラ

■Gazopa

SteveBeSpiderWhite_small.jpg

posted by やすお at 02:33 | Comment(0) | TrackBack(1) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月14日

仕事で使えそうなミニブログについてメモっておこう

前の投稿では企業向けのミニブログサービス「Yammer」を紹介した。TechCrunch50で優勝したのが興味を持った発端である。今回はYammerの続編とYammer以外の仕事向けミニブログについて、分かる範囲でメモしておく。

■導入先の企業が安心できるYammer
バーチャル喫煙室ともいえる企業内TwitterのYammer。少し触っていて分かったのだが、Yammerを導入した企業の管理者(Admin)向け機能が充実している。セキュリティ設定やユーザー管理機能、カスタマイズ機能が備わっている。

Yammer_Admin.png
セキュリティ設定については、アクセス元のIPアドレス範囲を指定して、例えば、社内のプロキシサーバーを経由しなければアクセスを拒否するといった設定ができる。また、ユーザーIDとパスワードのペアでユーザー認証する場合でも、パスワードの変更ポリシーなどを管理者(Admin)が設定できる。セキュリティ設定をしっかりできることで、社外秘の情報をYammer内でやり取りしてもある程度は安心できる。もちろん、Yammer本体がある程度セキュアであることが前提である。

ユーザー管理機能は、不適切な発言をするユーザーを削除するような機能がある。不適切な発言は管理者(Admin)が削除できるようになっている。ユーザー管理機能はもう少し充実しているとうれしい。例えば、ユーザーの一括登録だとか、グループの設定などが欲しいところだ。情報共有は全社レベル以外に、プロジェクト単位で実施したいときがある。プロジェクトメンバーがお互いをフォローすれば、グループという概念は不要なのかもしれない。ただし、複数のプロジェクトに所属している人だと、ある人の発言がどの仕事について言及したものなのか分かりにくくなる。発言をグループ単位で見たいときはあるだろうから、なんらかのユーザーのかたまりみたいな概念を導入してほしい。

カスタマイズ機能は、Yammerの画面に自社のロゴなどを貼り付けられる機能だ。ちょっとしたことだが、あたかも自社の社内ポータルのように運営できるのは、導入担当者にとってうれしい機能だ。エンドユーザーも自社のロゴが入っていることで、外部のサービスを使わせられている意識が薄れ、安心して使えるのではないだろうか。

なお、Yammerのビジネスモデルは比較的分かりやすいものになっている。エンドユーザーが勝手に会社のメールアドレスを使って、草の根的に始めるのは今のところ無料である。料金が発生するのは、導入窓口になっている管理者(Admin)機能を使う場合である。Yammerの販売方法は不明であるが、どこかが代理店となって、企業に対してセールスをかけることになるのだろう。会社単位に導入を進めることで、一気に全社にユーザーを広げることも可能だ。Yammerにとって大量のユーザーをまとめて契約するのに都合がいい。

ちなみに、料金は1ユーザーあたり月額1ドルだ。


■社員の情報発信と情報共有に使えるSocialcast
SocialcastYammerと似たようなサービスがないか探したところ、「Socialcast」というサービスが見つかった。こちらは、Yammerと比べると機能が豊富だ。ミニブログ機能以外にも、電子会議室やブックマーク共有機能などを備える。SNSのようなユーザー同士がつながる機能もあるみたいだ。しっかりと情報共有して知識を活用するための、いわばナレッジマネジメントに近い。

料金は1ユーザーあたり月額5ドル。

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2008年09月13日

仕事で使うTwitterになるか − Yammer

Yammerスタートアップ企業が自社サービスをアピールするTechCrunch50で、もっとも優秀なサービスに輝いたのは「Yammer」であった。Yammerは企業内で使うTwitterである。Twitterユーザーであれば分かると思うが、つぶやきをどんどん投稿することでコミュニケーションするサービスである。

登録するには会社のメールアドレスが必要。会社のメールアドレスを入力して登録すると、自動的にメールアドレスの@マーク以下の文字列のグループに登録される。登録手順がかんたんなのが良い。

さて、Yammerといった企業内Twitterはどのようなイメージで使うと分かりやすいのだろうか。私はYammerを喫煙室(通称:タバコ部屋、俗称:ヤニ部屋)での会話と考えればどうかと思っている。

喫煙室ではさまざまな立場の人が集まって、たわいもない世間話から仕事の話、自分や会社の未来についての語り―――といったことが話されているだろう。喫煙室のようなリラックスできる場所では、仕事のアイデアが浮かびやすい。そのアイデアを人に話すことでよりブラッシュアップされ、やがて会社の正式プロジェクトになり、会社が成長する原動力となる。最後は、まあそういうこともありえるということで軽く流してください。

ちなみに私はタバコを吸わないので、その解釈が正しいかどうかは確実な自信はないが、それほど外れてはいないと思う。

こんな感じでリラックスした雰囲気で会話ができるのが喫煙室のいいところ。それをWebサービス化したのがYammerである。チャットと異なり、ログが残るので本格的な会議にも無理をすれば使えそうだ。基本的にTwitterのようなサービスはコミュニケーションの基本ツールなのだと思う。道具をどう活用するかは使う人の力量ということになる。

もうひとつの利点は、喫煙室に行かない人でもタバコミュニケーションができることかなと思う。非喫煙者はある意味、タバコを吸う人同士がなかよくなっているのを見てうらやましく思うことが多々ある。このようなタバコによる情報格差を生まないためにおYammerのようなサービスが必要になってくる。

面白いサービスだが、企業内で使うには必要な機能がある。特に、企業内ポータルに組み込めるようにすることを考えたほうがいい。そのためには、APIを準備しておくことが重要だと思う。

※参考記事


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2008年09月12日

FacebookがOSになった?

グーグルがWebブラウザ「Google Chrome」(読み方:クローム、愛称:ちょろめ)をベータリリースしたとき、このブログでもグーグルの狙いについて私の見方を紹介した(参考記事:「グーグルの新Webブラウザ「Chrome」の本当の狙いとは」)。簡単に説明すると、ChromeはInternet ExplorerやFirefoxとブラウザ戦争をするのではなく、Windows OSをChromeに変えようとしているのではないかというものだった。

そして、今度はFacebookの出番だ。すでにFacebookは世界一のSNSであるといわれている。また、最近はそれほど言わなくなったが、SNSこそ次世代のOSになると言われてきた。そんなFacebookが画面のレイアウトを少し変更した。言われなければ気が付かないかもしれないが、Facebookの戦略がモロ見えになっているようで滑稽ですらある。

Facebookのスタートメニュー修正点は画面の下側だ。Facebookのfaviconの横に「Applications」というボタンが配置され、クリックすると自分がインストールしたアプリケーションリストが表示される。あたかも、Windowsの「スタート」ボタンを押したかのように。「Applications」の右側にもいくつかのfaviconが並んでいる。これはユーザーが良く使うであろうアプリケーションを登録するブックマークである。Windowsではクイックリストに相当するものと考えて良いだろう。

画面右下には、フレンドがオンライン状態なのかどうか、チャットできるのかどうか、フレンドなどから通知が来ていないかどうか、といった通知エリアとなっている。Windowsでも通知エリアになっているところだ。Facebookはマイクロソフトの資本が入っている。だからというわけではないだろうが。

さて、グーグルはWebブラウザをOSにしてパソコン市場を握ろうとしている(2008年9月11日の予想)。一方、FacebookはあくまでもWebブラウザはWebブラウザで残し、その上でアプリケーションを動かそうという戦略のようだ。どちらの方が優れているとは言えないが、グーグルの取り組みは理想論に近い。その分、グーグルが考えている以上に普及の道は長くなるだろう。

Facebookの取り組みは現実路線だ。WindowsはWebブラウザを動かすプラットフォームとして残し、Webブラウザ上でFacebook流のユーザーインタフェースを構築する。Webブラウザで動くスクリプトなどの修正だけで済むので、比較的短い時間でユーザーに広まっていくだろう。

Facebookがマイクロソフトの影武者だとするならば、グーグル対マイクロソフトの戦いが発生しようとしている。次のOSキングの座につくのはどこだろうか。

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2008年09月11日

TechCrunch50で気になったサービス

これからインターネットビジネスを始めるスタートアップ企業が、全世界に向けてプレゼンをするイベント「TechCrunch50」が開催されています。2008年9月8日から9月10日までの3日間、会場となるサンフランシスコでは盛り上がっているに違いありません。残念ながら私は普通の会社員なので、このイベントを見に行くことができません。TechCrunchなどが配信する記事を読んで、次のトレンドを捕まえるのが精一杯です。

さて、たくさんの企業が自社サービスを売り込むために必死でプレゼンをするのですが、次のグーグルとまではいかないけれど、いくつか気になるサービスがあるので紹介しようと思います。


■Popegohttp://popego.com/
PopegoPopegoはTwitterやFlickr、LinkedInといったソーシャルメディアのユーザーIDを登録しておくと、それらの情報を元にユーザーのソーシャルグラフを計算し、オススメのコンテンツを探し出してくれるサービス。あるユーザーが欲しいコンテンツはソーシャルグラフの中にあるというのを前提にして、コンテンツをレコメンドする。登録してみたが、まだ登録ユーザーが少ないのだろうか、2008年9月11日現在では適切なコンテンツを抽出できていない。もしかしたら日本語の処理ができていないのかもしれない。

FriendFeedは購読しているユーザーのフィードを単純に時系列で配信しているだけであり、ノイズも多い。これを解決できるのがPopegoかもしれない。実力は不明。

※参考記事
TC50: Popego、ソーシャル・グラフとユーザーの興味に基づいてカスタム情報フィルターを提供




■Mixxtthttp://www.mixtt.com/
MixxttMixxttはグループ単位での活動を支援するSNS。起業家と投資家、独身男と独身女といった出会いたいグループが出会うためのSNS。リアルに会うことを重要視しており、最初はサンフランシスコのみで使えるようになっているとのことです。順次、他の都市へと利用範囲を拡大していくようです。私は日本に住んでいるので、このサービスには登録していません。

私が注目したのは、グループ単位でつながりを持つところです。"グループ単位"というのがとても日本の慣習と合っているような気がしたのです。合コンの相手を見つけるといった万国共通の使い方はもちろん、ビジネスの相手を探すのに非常に使えそうだと思いました。日本のビジネスパーソンは基本的に個人では動きません。会社という単位で仕事を進めます。Mixxttのグループ単位で情報発信したり他のグループと接触を持ったりするのを、会社単位または部署単位という言葉に置き換えると、日本ではそのままの仕組みでビジネスSNSを構築できそうです。

※参考記事
TC50:Mixttは、グループデートなどの活動を支援する


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2008年09月10日

グーグルはどこまで記事を取り込んでいくのか

グーグルはデジタル化された情報ならどのようなものでも欲しいようだ。確かに彼らの目的は、地球上にある知を整理することだ。時間は関係ない過去に紙で出版された記事だって、知の1つに違いない。グーグルは図書館などにある書籍をどんどんスキャンしている。これからは過去の新聞もスキャン対象となる。このスキャン結果をGoogle News Archive Searchで公開しようとしている。

スキャンした記事に広告を埋め込むことでマネタイズし、収益をグーグルとコンテンツ・プロバイダで分けるというビジネスモデルだ。10年以上前の新聞の過去記事にどれだけの価値があるかは分からないが、ほうっておけば何も価値を生まない。だからなのかもしれないが、グーグルは新聞記事の過去記事に目を付けた。以前から書籍には目を付けていたわけだから、新聞も取り込もうと考えるのは自然な流れでもある。

一方、日本ではどうだろうか。古くから日経新聞や朝日新聞などは、過去の新聞記事をデータベース化し顧客に販売している。すでにマネタイズしているわけなので、ここでグーグルからの協力要請がきたからといって飛びついたりはしないだろう。おまけに検索結果を表示するだけで課金されるという、現在のインターネットの世界では考えられないような料金体系が顧客に受け入れられていることを考えると、すぐにはグーグルが支配する広告モデルに移行するのは難しい。

米国では、新聞社の記事は無料で見せたほうが儲かるという流れになっているようだ。その中でグーグルのNews Archive Searchが登場したのは興味深い。グーグルにとってはこの気分が盛り上がっているうちに、一気に新聞記事を取り込んでしまいたいのではないだろうか。

日本では簡単にはいかないだろうが、3年後くらいには日本の市場も変化している可能性は大いにある。すでに新聞社のWebサイトに記載されている記事は、グーグルやヤフーなどの検索エンジンにヒットすることを前提として制作されている。このモデルを紙に印刷された記事にも提供しようというのだ。進化の方向としては正しいが、紙の既得権益を守ろうと考える抵抗勢力は少なからずいる。あまり抵抗すると、結局は新聞社が存亡の危機に陥るだろう。もしかしたら、抵抗なんかしていないと言い張る人もいるかもしれない。

紙は紙でしかなく、特に検索性は絶対的にデジタル化された記事の方が便利だ。10年前の今日におこった事件なんて、グーグルやヤフーで探すほうが自然だよね。実は長期保管もデジタルの方が向いている。10年前の紙なんてぼろぼろになっているから、だれかれ構わず公開するのは無理である。ページがばらばらになってしまう可能性がある。デジタル化されたデータは、今のところ半永久的と考えてよい。やっぱり、デジタルの方が便利だな。

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2008年09月09日

ソーシャルメディアのユーザー認証はOpenIDで決まりなのか

国内のニュースサイトはそれほどでもないのだが、海外のニュースサイト、例えばNew York TimesやCNBC、Washington Postなどはユーザー登録をさせて記事を見せるようになっている。もちろん会員登録をしなくても読める記事はたくさんあるのだが、登録することでマイページ機能など、よりWebサイトを便利に使えるようになっている。

ニュースサイトにしてみれば、記事を無料で見せる代わりに、購読料の代わりとなる何かを受け取りたいところである。具体的に言えば、広告を配信し、広告を閲覧してもらい、該当する商品を買ってもらうといったところだ。ユーザー情報を登録してもらうことで、より適切な広告を配信することが可能となり、より商品を買ってもらえるようになる。

このようなWebサイトの目論見は理解できる。どこかでお金を儲けなければWebサイトの運営すら成り立たなくなるのは資本主義経済の上で当然のことだからだ。ただし、ユーザーの純粋な利便性を考えると、各サイトで個別にユーザー登録してユーザー認証を受ける仕組みは非常に面倒だ。そんな場合に使えるのが、現在ではOpenIDと呼ばれている仕組みが最右翼にいる。OpenIDは1つのIDで対応している複数のWebサイトにユーザー登録できる仕組み。詳しい説明はWikipediaを見て欲しいが、インターネットでシングル・サインオンするために必要なものと考えればよい。

このOpenIDはmixiやヤフーが発行できるようになって、少しずつ一般ユーザーに広まりつつあるかなといった状況だ。とはいえ、ほとんどの人はOpenIDの存在すら知らないだろう。正直なところ、何が便利になるのか分からない人がほとんどだと思う。Webサービスの運営側もOpenIDに対応するかどうかは温度差がある。当然といえば当然で、ユーザーの属性情報がなければ、ユーザーの興味に合致した記事のリコメンドができないし、適切な広告を表示することも難しい。OpenIDだとユーザーの個人情報を取得することが難しいので、多くのWebサービス運営者は様子を見ている状況なのだろう。

インターネットのシングル・サインオンの仕組みは、マイクロソフトの「.NET Passport」などいくつかあったが、どれも失敗している。今回のOpenIDが成功するかどうかは分からない。OpenIDは特定の企業が提供するものではないので、マイクロソフトの.NET Passportのように、「自分の個人情報をすべてマイクロソフトに預けなければならないのか」といった懸念は小さい。ただし、著名な企業だけがOpenIDを発行しているのではないので、聞いたことがない企業・団体が発行するIDはそもそも大丈夫なのかといったことが心配になってくる。

次に問題となるのが、自分の属性情報をどこに預けるかである。OpenID事業者に預けてもいいのだが、Facebookやmixiなど個々のWebサービスで付けられたデータまで、OpenID事業者に預けるのは無理がある。それを解決するのに、ユーザーの属性情報をやりとりする仕組み「Data Portability」という技術があるのだが、これは別の機会に触れよう。ユーザーは安全で便利なものを求めている。これはある意味で相反する事項なのだが、きちんと考えう必要がある。

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2008年09月08日

勝敗を左右する天気予報

タイトルだけでは何を言っているのか分かりませんが、今回は自動車レースの最高峰であるF1(Formula one)で起こった話です。今週末に開催されたベルギーGPが面白かったので、その報告です。

ベルギーGPはスパ・フランコルシャンで開催されます。天候が不順なところで有名で、スパの天候を「スパ・ウェザー」と呼ぶくらいの名物になっています。今年はレースの終盤、それもラスト5週くらいでひどい雨になりました。これが最終結果に波乱を呼び込みます。このブログではインターネットを中心としたIT関連のことを書くものですので、レース結果については触れません。今回は勝敗を左右した天気予報について雑感を書こうと思います。

天気予報はIT技術なくしては語れません。あちこちの観測所のデータをもとにコンピュータで解析し、気圧配置や雨雲の状況を算出します。この予報精度に今回は驚きました。

スパのように天候が刻一刻と変わる場所では天候をどう読むかが重要になります。雨が降るタイミング次第では、タイヤ交換をするためにどのタイミングでピットインするか戦略を考える必要があります。ピットインしたときは給油もするので、ガス欠をしないように、または多すぎないように、スタート時のガソリン量を調整しなければなりません。さらに言うと、予選上位10台の車は、予選で走り終えた状態のガソリン搭載量で決勝レースをスタートしなければなりません。上位チームは次の日の天候を予想して、予選を走らなければならないこともあるのです。

さて、レースですが、テレビ中継でもありましたが、「あと何分で雨が降るよ」といったインフォーメーションが流れます。今回は、レースの終盤、しかもラスト5週くらいで雨が降る可能性があるとの予報が出ました。天気予報は当たるかどうかは微妙なもの。おそらくですが、ほとんどのチームは「ラスト数週であればタイヤ交換なしにいける。あわよくばドライコンディションのままレースを終えられる」と考えていたのではないでしょうか。

しかし、雨は予報通りに降り始めました。ただし、降り始めはドライ用タイヤで走れないわけではありません。なので、各車そのままの状態で走り続けました。そして、残り3週くらいで、もう普通に走ることは難しい状況になってしまいました。だけど、ここでタイヤ交換すると優勝できなくなる。上位チームはもうギャンブルに出ます。完走するまでの我慢比べに状況になりました。結果は・・・、まあ運がよかったドライバーがトップチェッカーを受け、運がよかったドライバーが優勝しました。

IT技術(演算能力と予報プログラムの性能向上)の進化が、おそらく正確な予報を成し遂げたともいえます。もちろん、まぐれ当たりの可能性もありますけれど。結局、情報システムがはじき出す結果を受け入れるかどうかは、人間の判断なのだなというのが、今回のレースを見て分かりました。

仮に、全チームが天気予報を100%信じていたら、レース展開は変わったでしょうか。今回はあまりにも微妙なタイミングで雨が降るという予報だったので、おそらくほとんどのチームはギャンブルに参加したでしょう。でも、最後にタイヤをレイン用に替えたチームが最終ラップで4台(3台かな?)くらいをごぼう抜きしたのを見ると、やはり予報を素直に信じたほうがよかったのかもしれません。完走しなければポイントも取れないわけですし。


大前提として、今回レース途中で雨が降るという予報が、ITできちんと計算された結果でなければ、今回の投稿は意味がなくなります。もしかすると、スパのお天気予報名人みたいな人がいて、その人の経験とカンで予報していたりして。まあ、その経験とカンがコンピュータを越えることはよくある話なので、こちらの方が面白いといえば面白いですね。

すいません。今回は非常にわけが分からない文章になってしまいました。
タグ:F1 天気予報


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2008年09月06日

ちょっと軽めにミニブログのネタでもしましょうか

ちょっとしたつぶやきでコミュニケーションするWebサービス。それがミニブログです。代表的なものは「Twitter」です。ミニブログといっても本格的なブログのように長い文章を書くことはできません。Twitterなら1つの投稿に対し、140文字までという制限があります。また、気に入った人がいればフォローして、自分の画面にフォローした人の書き込みが表示されるようにできます。お互いがフォローすれば、お互いの書き込みをチェックできるようになり、コミュニケーションしやすくなります。SNSのように強固なつながりを求めるのではなく、その瞬間のノリでフォローするなど、とてもゆるいつながりを構築できるのが特徴です。

私もいろいろなサービスを試しています。Twitterはもちろんですが、Twitterで仲良くなった人に薦められて、「Plurk」というサービスも使っています。Plurkについては、「Plurkの様々な疑問に答えてみるよ!」などで詳しく解説されていますので、そちらをご覧ください。さらに、ちょくちょく著名ブロガーが参加しているのを見かける「identi.ca」というミニブログにも、つぶやきを書き込んでいます。

複数のサービスを使っていて面倒なのは、同じ書き込みを複数のミニブログにしなければならないことです。でも、世の中には私のような人が大勢いるのでしょう。複数のミニブログに一度に書き込めるWebサービスがあります。私が気に入って使っているのは「HelloTxt」です。つぶやきの書き込み先をチェックボックスで簡単に選択できるので、この内容だったらすべてのサービスに送っても大丈夫だけど、このネタはTwitterだけにしといた方が無難だな、というのを簡単に選べることができます。HelloTxt以外にも「Ping.fm」というのもあります。これは、Twitterでつながっている人に教えてもらいました。個人的にはHelloTxtの方が好みです。

では、ここで私のタイムライン(ミニブログの書き込みが表示される画面)のURLを書いておきます。面白いヤツだなと思ったら気軽にフォローしてください。スパムアカウント以外は、原則フォローし返します。


ちなみに、私がつぶやくのは会社にいるときがほとんどです。デスクワーク中心なので、ちょっとした時間につぶやいています。断っておきますが、仕事はきちんとしていますよ。あくまでも空いた時間でつぶやいているだけなので。また、休日はほとんどつぶやきません。たまに携帯電話からTwitterに書き込むくらいです。

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2008年09月05日

まだ自由になっていないWebアプリケーション

Google ChromeはパソコンOSの座を狙っているのではないかと前回のエントリで書いた。それを実現するために必要なことがあるのだが、前回はそれを書いていなかった。忘れていたわけではないのだが、記事が長くなりそうなので割愛してしまったのだ。

では、足りないものは何か。それは、アプリケーションの自由度である。パソコンにインストールして使うネイティブソフトと、Webブラウザで動くWebアプリケーションを比較して、どちらが使いやすいか考えてみよう。ほとんどの人は、ネイティブソフトの方が使いやすいというだろう。私もそう答える。例えば、今は文書を書いたり、表を作成したりするのに、インターネットで提供されているGoogle DocsのようなWebアプリケーションが使える。しかし、恒常的にGoogle DocsのようなWebアプリケーションを使っている人は少数派であろう。ネイティブアプリのWordやExcelでドキュメント作成をしている人の方が圧倒的に多いと思う。

なぜ、ほとんどの人はネイティブアプリを選ぶのだろうか。やはりWebアプリの使い勝手がネイティブアプリに劣っているからだと思う。WebアプリにはWebブラウザの機能によって、表現力などに限界がある。セキュリティを確保するためには仕方がないのだが、パソコンに保管しているファイルに自由にアクセスできないのも痛い。HTMLやJavaScriptの限界もあるだろう。

もし、グーグルが本気でパソコンOSをChromeにしたいと思っているのであれば、現在のネイティブアプリと同程度の使い勝手をWebアプリで実現できる環境を整えなければならない。そのためには、JavaScriptを高速に動かす環境が必須だ。Chromeは今のところは、信じられないくらいのJavaScript実行環境を提供している。しかし、もしWebブラウザ上でネイティブアプリ並みのアプリを動かそうとすれば、現在のスピードではまだ力不足かもしれない。Webブラウザ上での表示方法なども、もっと自由度を上げられる仕組みが必要になるかもしれない。

Google Chromeはまだベータ版である。ベータが取れるころにはどのようなWebブラウザになっているだろうか。Webアプリケーションを動かすために、どのような機能を実装してくるのか楽しみである。そして、インターネット上で提供されるWebサービスは、どのように進化するのかも楽しみである。

Google Chromeのベータが取れるころ、真のクラウドコンピューティングが実現しているのかもしれない。

posted by やすお at 01:13 | Comment(0) | TrackBack(1) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年09月04日

グーグルの新Webブラウザ「Chrome」の本当の狙いとは

2008年9月3日(水)、グーグルは新しいWebブラウザ「Google Chrome」のベータ版をリリースした。ベータ版ながら高速に動作するソフトに仕上がっている。JavaScriptを実行するエンジン「V8」の効果が出ているようで、JavaScriptベースのWebアプリケーションがかなり高速に動く。Webブラウザのレビューはたくさんの人が書いているので、私はChromeが何を引き起こすのか予想してみたい。まあ、これからグーグルが実現していくことを勝手に予想してみる。

グーグルがまったく新しいWebブラウザを公開したのは、Webアプリケーションを動かすために最適な環境を提供したかったからである。これに関しては、裏に何も隠していないと思う。ただし、額面どおり受け取るのは早計だ。Webアプリケーションを動かす環境であれば、新しい製品を出す必要はない。Firefoxを改良するように働きかければいい。

だが、グーグルはそうしなかった。独自のWebブラウザを公開するに至った。この背景には、Webアプリケーションを動かす環境としてのFirefoxはまだまだ力不足なのだろう。Firefox 3でJavaScriptの実行速度が速くなったが、それでもまだ不十分なのかもしれない。Chromeが非常に高速なJavaScript実行環境を用意したのはその片鱗だと思う。

そして、一部の報道で、マイクロソフトに対抗するためにChromeを出したと言われている。これは、ある意味においては正しいが、Webブラウザ戦争においてIEと対抗するという意味では誤りだと思う。おそらく、グーグルはWebブラウザ戦争に参戦することは想定していない。

ずばり、グーグルはマイクロソフトのWindowsというパソコンOSに対して宣戦布告をしているのだ。WindowsをChromeで置き換えるのが本当の狙いではないかと私は考えている。

従来のコンピューティング環境では、WindowsなどOSがあり、その上でExcelなどのアプリケーションが動いている。一方、Webアプリケーションは、WindowsというOSの上に、WebブラウザというOSをさらに追加して、インターネット上にあるWebアプリケーションを動かしている。仮に、Webアプリケーションがこれから主流になるのであれば、何かアプリケーションを動かすためにはWebブラウザがあれば事足りる。Windowsは不要になるのだ。パソコンというハードウエアを動かすための基盤ソフトとしてのOSは必要だが、アプリケーションを動かすのはWebブラウザがすべてを担う。

ブラウザのシェアを考えると、Chromeは今のままではどうやってもIEに勝てない。何もしなければ、ChromeはFirefoxと食い合うだけだろう。大多数のパソコンユーザーは買ってきたパソコンについているものだけで、廃棄するまで使う。FirefoxなどのIE以外のWebブラウザに触れる機会はない人の方が多いのが現実だ。パソコンがWindowsで動いている限り、この状況が変わることはないだろう。なので、単なるWebブラウザとしてのChromeを出すのは無意味なのである。Chromeは世の中のコンピューティング環境がWebベースに移行してからが勝負である。

では、グーグルが目指すWebアプリケーションに移行した世界を実現するには、どうすればいいのだろうか。予想でしかないが、パソコンのOSがChromeになってしまえばいいのである。そのためには、パソコンのスイッチをオンにするとWindowsのロゴが表示されずに、Googleのロゴが表示されるようなパソコンを登場させる必要がある。グーグルは数年前に少し話題になった"Google PC"を現実にしようとしているのではないだろうか。

携帯電話の世界に目を向けると、それほど現実離れしている話とも言えない。実際に、グーグルはAndroidを発表しており、携帯電話というハードウエア向けのOSをリリース済みである。携帯電話のスイッチを入れるとグーグルの携帯電話向けOSが起動し、その上で各種アプリケーションを動かす。このOS部分とアプリケーションを動かす環境を合わせたものが、"Google PC"ではChromeになる。つまり、Google PCはAndroid携帯電話をパソコンの形状にしたものといえる。

ChromeをベースにしたGoogle PCは格安PCになるだろう。PCベンダーに対して、Chromeの使用料は発生しないだろうから。パソコンをより安価に入手できることは、ほとんどの人にとって喜ばしいことだ。発展途上国などでパソコンを普及させる原動力にもなる。今回はChromeというソフトウエアの発表であったが、真の狙いはハードウエアを含めたコンピューティング環境の革命を起こすことではなかろうかと考えてしまうのである。

なにやら妄想みたいになってしまったが、来年にはChromeベースのGoogle PCが登場しているかもしれない。マイクロソフトがVistaとOffice 2007で苦戦しているところを、Google PCで一気に攻め込むというのが効果的なビジネス戦略だと思う。期待して待つことにしよう。我が家のパソコンはそろそろ買い替え時期なので、早めにGoogle PCを出していただけると助かります。

◎関連記事を追加(2008/9/5)


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2008年09月03日

特化型SNSから生まれる次世代汎用SNSが見えてきた

前回はmixiやGREEなど汎用的なSNSは成長の限界にきているのではないかと指摘した。今回は、SNSが次のステップに進むためには何が必要なのか勝手に予想した。現在考えられているテクノロジーの中での予想なので、3年後は別の形になっている可能性は十分ある。それでも、今から見た未来のSNSの姿を予想するのは意義がある。

さて、汎用SNSが限界に来ているのは、個々の会員を十分に満足させらないからだと私は考えている。マスに向けた汎用SNSは、やりとりされる情報が浅くなる傾向がある。最大多数の人が気に入るサービスを提供しているがうえ、マニアックな書き込みが受けないのだろう。これは、汎用SNSではどの友達も自分からみたら対等な立場になってしまうからだ。ここで考えてみよう。実世界ですべての友達は対等だろうか。多くの人は、ある分野では友達といえるが、別の分野では利害が相反する場合がある。例えば、ゴスペルソングが好きな人同士は、音楽という分野で友人になっているだろう。デスメタルを好んで聴く知り合いとは音楽という特定の分野では友達ではない。だが、名古屋グランパスエイトのサポーター同士であれば、サッカーという分野では友人である。友達とは特定の切り口で気が会う人なので、特定の切り口を提供しにくい汎用SNSでは、実世界の人間関係を再現できないのである。

では、実世界の人間関係を再現し、インターネット上でバーチャルな交友関係を築くにはどうすればいいのだろうか。私は特化型SNSがキーになると考えている。

特化型SNSとは、特定分野に絞ったSNSである。実際に存在するかどうかは分からないが、例えば、ボサノバが好きな人が集まるSNSやカブトムシ好きが集まるSNS、Webサービスを提供している人だけ、男性だけ、女性だけが集まるSNSなどさまざまなものが考えられる。mixiのコミュニティが独立して1つのSNSになったものと考えた方が分かりやすいかもしれない。

個人は複数の特化型SNSの会員になることで、興味分野において深い議論をすることができるようになるし、特定分野における真の友人を見つけることだって容易だろう。では、mixiやGREEなどのコミュニティで深い議論をしたり友人を見つけたりすればいいではないかと思うかもしれない。半分は正しい。しかし、コミュニティ内で友人になっても、SNSの中でみれば他の友人と対等になってしまう。新しく友人になった人は、音楽の趣味が合わなくてうんざりするかもしれない。なので、コミュニティ機能で解決するのではなく、細かい単位でSNSを構築する必要があるわけだ。

ただし、特化型SNSがばらばらに存在している状況だと、本当の個人の属性を表現することができない。特化型SNSをまとめる仕組みが必要になってくる。最終的には特化型SNSを束ねて、音楽はゴスペルソングが好きで、サッカーは名古屋グランパスエイト、仕事はWebサービスの開発をしている一人の個人を表現できるようにしなければならない。

ちょっと前までは複数のSNSを束ねる仕組みはなかった。現在では、OpenIDなどで各特化型SNSを1つのIDに紐付けることができる。複数SNSを束ね、それらが特定の個人と紐づいていることを表現するにはうってつけだ。

人はいくつもの側面を持っていると思う。仕事をしている自分、趣味に没頭している自分、家族と過ごす自分、よからぬことを考えている自分など、自分は1つではない。仕事をしている自分とよからぬことを考えている自分は同時に存在しないし、仕事をしている自分の友人と、よからぬことを考えている自分の友人は、お互い接触してはマズイことになる。実世界での例を挙げると、裏の顔を職場の人に知られるようなもので、想像するまでもなく非常に恥ずかしくなるシチュエーションだ。なので、複数の自分を複数の特化型SNSで表現し、それを束ねるOpenIDのような仕組みで、実世界の自分に近い姿を表現する。

このOpenIDなどで特化型SNSを束ねたものが次世代の汎用SNSになる。必要であれば、データポータビリティ(Data Portability)の機能を使って、必要な情報を各特化型SNS間でやりとりすることもできるだろう。OpenSocialといった技術も使われるようになるかもしれない。これらはすでにある技術と思っていい。SNSが次の段階に進むような予感がする。

posted by やすお at 01:58 | Comment(0) | TrackBack(2) | ソーシャルメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



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