2008年04月24日

twitter日本語版 −開発者twitterと広告

2008年4月23日(水)、ミニブログサービスのtwitterが日本語化されました。これで日本人のユーザーが増えるでしょうか。ちょっと微妙かもしれません。twitter自体はそれほど難しくないサービスなので、英語のままでもユーザー登録から実際の利用まで問題なかった。書き込みも日本語でできるしね。しかも、ヘビーユーザーはWebブラウザを使わずに、マッシュアップしたデスクトップアプリケーションやWebブラウザの拡張機能などを使っているので、twitter本来の画面を表示させることは少ない。

twitter日本語版については多くの人がブログで触れている。世界的に有名なサービスなので、取り上げる機会が多いというのもあるだろう。

私がtwitter日本語版で面白いと思った点は2つ。

まず、デジタルガレージがtwitter日本語版を開発するにあたり、担当者が開発状況や裏話をtwitterで流していたことだ。途中で開発に専念したのだろうか、息切れ気味であっただが、ひとつのサービスが生まれる環境をより身近に感じることができた。

次に、広告をWebサイトに表示したことだ。これは米国の画面にない機能。無料のWebサービスをマネタイズするために、広告を表示するようになったのであろう。まだ広告を表示する場所も少ないし、そもそもヘビーユーザーはWeb画面を使わないので、広告に触れられる時間が少ない。

きちんとマネタイズして、安定運用できるようになるかはまだ未知数。ただし、大きく化ける可能性はある。

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2008年04月23日

企業向け情報システムは、ようやく2.0の時代へ

エンタープライズ2.0(Enterprise 2.0)は、いわゆるWeb2.0の技術を組み込んだ企業向け情報システムである。社内SNSを筆頭に、社内ブログやWiki、ソーシャルブックマークなどを社内情報システムに活用しようというものだ。2013年には46億ドル(約4729億円)の産業になるらしい。

コンシューマ向けのWeb2.0の経済効果はどれくらいなのか分からないので比べようもないが、おそらくエンタープライズ2.0の方が市場規模は小さいだろう。もちろん、企業向け情報システムでは、製品単体の価格だけではなく、インテグレーションコストもかなりの額を見積もっておかなくてはならない。それでもトントンというわけにはいかないだろうが、それなりに大きな市場が見込めるわけだ。システムソリューションベンダーにとって“おいしい”市場になるだろう。

さて、私の会社でもそうなのだが、大きな組織になればなるほど、部署間のコミュニケーションが悪くなる。しかも、ビジネスモデルは複雑化しているので、利害関係を調整しなければならない部署は多くなる。よほど注意しないと、「俺はそんな話は聞いてない。そんなプロジェクトを認めるわけにはいかん!」などと情報の共有ができてない状態になる。

これを解決するのが、ちょっと前ならグループウエアだった。Notes(Domino)やExchang+Outlookといった製品だ。それが今では、情報共有といえば社内SNSが最初に挙げられる。余談だが、私の会社にも導入してほしい。

で、SNSというと、真っ先に挙げられるのがmixだ。知り合い同士でメッセージをやりとりしたり、コミュニティに参加してることで趣味の情報を仕入れたり、自分の持っている知識を公開して、会員とコミュニケーションを行うサービスである。

つまり、エンタープライズ2.0はコンシューマ向けの技術がベースになっている。これを社内情報システムに応用する。「個人のツールが組織のコミュニケーションツールになる」と書いてしまうと違和感はあるが、一緒に仕事をする人はマイミクみたいなものだし、プロジェクトはコミュニティみたいなものと考えれば、それほど不自然ではない。むしろ、プロジェクトや部署単位で結束が固くなるようなイメージが出てくる。mixiの日記は社内ブログと同じものと考えていいだろう。

エンタープライズ2.0のようにコンシューマ向けの技術が企業向けに応用された例は多いのだろうか。実は最近はコンシューマ向け製品の方が進んでいて、IT関連機器・サービスにおいては、企業向けの製品・サービス発のものはあまり元気がない。

例えば、ハードウエアの世界に目を向けると、昔はメインフレームコンピュータに技術の粋を集めた。そしてメインフレームで培われた技術はパソコンへと実装された。それが今では、パソコンに最先端のテクノロジーが搭載されることが多くなった。しかもかつての最先端のメインフレームは、パソコンを強化したものに過ぎなくなった。

企業向けシステムも、エンタープライズ2.0のようにコンシューマ向けの技術をどんどん取り入れるのが大きなトレンドとなるだろう。

以下、参考情報です。

◎Enterprise 2.0 To Become a $4.6 Billion Industry By 2013
http://www.readwriteweb.com/archives/enterprise_20_to_become_a_46_billion_industry.php

◎大企業ほど社内SNSに興味あり?
http://blogs.itmedia.co.jp/akihito/2008/04/sns-8aab.html

◎Forrester: Social networking will be biggest enterprise 2.0 priority by 2013; Smaller businesses reticent
http://blogs.zdnet.com/BTL/?p=8555


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2008年04月22日

消費者にダイレクトに接触できるウィジェットベンダー、日本に登場するのはいつだ?

コンテンツプロバイダが提供するコンテンツを見るときに、消費者(コンシューマ)は何を使っているのだろうか。話が拡散しないように、ここでいうコンテンツとは、Webブラウザなどで閲覧できるニュースや小説、ダウンロードして楽しむ音楽や映像に限定しよう。デジタルコンテンツを楽しむためのプラットフォームについて考える。今回はどちらかというとニュースがどのように扱われていくのか、過去から振り返ってみたいと思う。

さて、新聞社や出版社などのメディアがインターネットでニュースを流し始めたときは、消費者は各メディアのWebサイトにアクセスしてニュースを読んでいた。コンテンツプロバイダとコンテンツディストリビュータが同じ会社だった。流通業にたとえると、メーカーが消費者に販売する直販モデルだっといっていい。デルのパソコン販売手法と同じビジネスモデルだ。

そして、Yahoo!全盛の時代がやってきて、コンテンツを集めて消費者に届ける企業が頭角を現してきた。コンテンツアグリゲーターの登場である。グーグルもそのアグリゲータの1社と考えてもいいだろう。コンテンツアグリゲータが消費者にコンテンツを届けるディストリビュータの機能を兼ねた状態だ。デパートがメーカーから仕入れた商品を売るようなビジネスモデルである。ここで、コンテンツプロバイダと消費者の間に1つの企業がはさまった。どのコンテンツが消費者に選ばれるかは、コンテンツプロバイダがどうこうできる次元ではなくなった。より消費者に近いコンテンツアグリゲータがデジタルコンテンツを支配していった。

そして、現在はどうだろうか。コンテンツを提供するのが従来のメディア企業だけではなく、消費者もブログという形態でコンテンツを配信できるようになった。コンテンツを提供する消費者はプロシューマと呼ばれる。従来のコンテンツプロバイダはプロシューマとも同じ土俵で勝負しなければならなくなった。アクセスできるコンテンツ量が爆発的に増えたことで、消費者は必要なものだけを取捨選択できるように、RSSフィードを受信してコンテンツにアクセスするようになった。

すでにメディア企業が特別視される世界ではない。消費者が接するべき情報を選択できる時代になったわけだ。その消費者がコンテンツに接するのはRSSなのであるが、今では直接RSSを購読するという意識を持っている人の方が少ないだろう。もちろん、このブログを読んでいただいている方は、RSSフィードは RSSリーダーで読むものと思っている人の方が多いかもしれない。

これからはRSSフィードについて知識がなくても利用できるようになっていくだろう。iGoogleやMyYahoo!、Netvibesといったスタートページがその走りである。これらスタートページサービスはRSSをほんとんど意識させない。消費者には、自分が見たいものを自分のWebページに置いておくぐらいの意識しかない。技術的にはこれは正解だ。スタートページはそれほど普及しているとはいえない。特に日本では。ただ、これも時間の問題で、便利に使いたいなと感じ始めたユーザーはスタートページを避けられないと思う。自分専用のポータルを作成できるので便利なのだ。スタートページにはニュースだけでなく小さなアプリケーションも配置できる。スタートページは情報収集と実際の仕事を1つの画面でできるようになっていく。

となると、消費者の心をつかむのは、スタートページサービスを運営する企業ということになる。ただし、こここで注意しておきたいのは、スタートページのベンダーだけでは消費者に便利なサービスを提供できないのだ。

スタートページにはウィジェットと呼ばれる小さなプログラムを配置する。ウィジェットがRSSフィードを読み込んで記事リストを表示したり、TO-DOリストやメール、カレンダ機能もウィジェットを通じて消費者に提供される。表にはスタートページしか見えないので、スタートページが消費者に直接アクセスするメディアかと思うがそうではない。ウィジェットこそが消費者にじか接するメディアなのである。

米Slide社など、ウィジェット専業企業も登場している。日本ではこのような企業の存在を聞かないが、今後は出てくるだろう。もしかすると、米Slide社などが広告を求めて日本に進出してくるかもしれない(日本がスルーされている可能性もあるが)。

流通業を見てみると、消費者に接する小売が一番力を持っている。コンテンツ配信でも同じように、消費者により近いところが力を持ち、コンテンツをマネタイジングできるようになるだろう。幸いなことに、スタートページやFriendFeedなどのアグリゲーションサービスのほとんどは海外生まれなので、日本独自のサービスに対応していないことが多いとんど。mixiなんかがどこかのスタートページに対応するといいと思うし、お金を産む原動力になると思う。

日本のスタートページサービスでは、エクストーンが運営する「trunc」が先端を行っていると思う。ウィジェットの開発プラットフォームなどを公開すれば化けるかもしれない。現状では、クローズドな規格でサービスを提供しているので、対応しているサービスの数が増えていくスピードは速くない。これを加速させれば、iGoogleやMyYahoo!と肩を並べられる存在になるかもしれない。

コンテンツをマネタイズするには、やはり消費者の近くで消費者が欲するものを提供し続けなければならない。そして、広告も適宜配信できるような仕組みも必要である。純粋にコンテンツだけにお金を払うのは、音楽や映像などのごく一部だけだ。ニュースや個人向けツール類などは無料があたりまえの世界なので、(この状況が正常かどうかはともかく)広告をいかに効率よくターゲットに配信できるかがキーになる。

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2008年04月17日

FacebookがFriendFeedのマネ?

自分に関する情報を一元化したい。そんな要求に応えているのがFriendFeedというWebサービスである。FriendFeedはポストtwiterとして期待されているサービスだ。個人的には、新しいSNSの姿を見せてくれるのではないかと思っている。

では、既存のSNSはどうだろうか。もちろんFriendFeedの快進撃に指をくわえて見ているわけではない。

まず動き出したのがFacebookだ。Facebookは、自分がfacebook内で行ったことをMini-feed(ミニフィード)という形でフレンドに配信できる。Mini-feedに載せられる情報はfacebookの標準機能が備えるNoteや誰と友達になったのかや、一部のfacebook アプリケーション内での行動を配信できる。あくまでもfacebook内に閉じた行動をフレンドに伝えるものだ。

facebookのブログによると、Mini-feedに外部のWebサイトでの活動を流せるようになった。たとえば、del.icio.usでブックマークしたサイト情報や、flickrに登録した写真をフレンドに告知できるようになった。これまでも、facebookアプリケーションを使うことで同様のことを実現できたのだが、facebookの機能に実装したところに意義がある。

Mini-feedに対応したWebサービスはまだまだ少ない。なので、今すぐにFrinedFeedに対抗できるとは思えない。今回はFriendFeedに対する牽制球だろうか。

以下、参考情報です。

◎A new way to share with friends
http://blog.facebook.com/blog.php?post=13245367130

◎Facebook,外部SNSのアクティビティーも共有可能に
http://zen.seesaa.net/article/93542927.html

◎Facebook、Mini-Feedをサードパーティーのサービスに公開
http://jp.techcrunch.com/archives/20080415facebooks-opens-up-mini-feed-to-3rd-party-services/

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2008年04月16日

Facebookのプライバシー保護はどうなっとんじゃ

Facebookはプライバシーについてどう考えているのだろうか。人は誰でも自分の行動を他人の目から隠せる権利があると私は思う。Facebook beaconの騒動から何も学ばなかったのだろうか。

いくら自分の情報(行動)をやりとりするサービスだからといって、すべて見せてもいいわけではない。ましてや、ユーザーが意図して“隠したい”と指定した行動を、他人には丸見えにするとはいかがなものか。そもそもユーザーが行動を隠したい場合、赤の他人よりもフレンドに知られたくないことが多いだろう。だのになぜ。

まあ、ネット内で騒ぎになっているようなので、Facebookも早急に対処するだろう。

Facebookも大きくなりすぎたのか、ちょとしたことでメディアにたたかれることが多くなってきた。さらなる成長をするためにあらゆる戦術を検討しているのだろうが、ちょっと勇み足をしているように思える。ベースはすばらしいサービスだと思うので、もう少し想像力を働かして、こうしたらあの人は困るんじゃないか/喜ぶんじゃないか、というのをシミュレーションしてほしい。


とりあえず、参考情報として問題を指摘したTechCrunchの記事リンクを紹介します。

◎Facebook News Feed Reports on You Behind Your Back
http://www.techcrunch.com/2008/04/14/facebook-newsfeed-reports-on-you-behind-your-back/

◎FacebookのNews Feedはユーザーが知らないうちに情報を垂れ流している
http://jp.techcrunch.com/archives/20080414facebook-newsfeed-reports-on-you-behind-your-back/
タグ:Facebook


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2008年04月15日

インターネット広告と企業向けアプリケーションでは、どちらが儲かる?

企業向けアプリケーションとインターネット広告を比較して、何が出てくるのだろうかと思うかもしれない。どこかで何かがクロスしそうなので、そのもやもやをこのポストで吐き出したい。

さて、ここでいう「企業向けアプリケーション」はマイクロソフトを示すと考えてほしい。企業で導入されているパソコンのほんどはWindowsパソコンであり、そこにインストールされているソフトはMicrosoft Officeであることが多い。部門サーバーはWindows Serverを使いことが多いだろう。もしかすると、企業内で情報共有のためにグループウエアのExchangeを導入しているかもしれない。 Exchangeを導入しているのなら、クライアントにはOutlookを使うことになる。その他に...、と続けているときりがない。それくらい、マイクロソフトの製品は企業に導入されている。

一方、ここでいう「インターネット広告」はGoogleのことだと思っていい。検索技術を武器にして、検索結果や各Webページを広告媒体にしてしまう「アドワーズ」(AdWords)で莫大な利益を計上している。また、個人向けに無償で提供しているWebメールのGmailなども基本的にはAdWordsの広告による売り上げで運営している。

とまあ、ここまではよく知られているところである。しかし、別の動きがあることにも注目しなければならない。

大きく報道されたものから指摘すると、マイクロソフトがYahoo!を買収したがっている動きだ。これは改めて言うまでもなく、Yahoo!の広告システムを狙った買収だ。マイクロソフトは、敵対的買収という手段に出てもYahoo!を買いに行く。それくらいインターネット広告による収益は大きいものだとマイクロソフトは見ているのだともいえる。パッケージによるソフトウエア販売という形態を維持できないマイクロソフトの苦悩の末の一手ともいえるだろう。グーグルがやっているように、ソフトウエア(サービスと言い換えてもいい)はインターネットを通じて提供されるようになるのは間違いない。すくなくとも、これからの10年はその方向で進む。
だとすると、パッケージで儲けていたマイクロソフトはパッケージ以外の収益源を見つけなければならない。余談だが、WebブラウザのInternet Explorer(IE)を無償で配布したのは誰だっけかな。ソフトウエアの価格を下げたのはマイクロソフト自身かもしれない。その時のツケを払うときがきたのかもしれない。

次は、グーグルである。グーグルはグーグルで質の悪い広告が増えていることでクリック率の低下などを招いている(クリック率の低下については元ネタがどこなのか失念しました)。グーグルにはインターネット広告は現状と同じように売り上げを伸ばしていくことは困難だと考えているのではなかろうか。なので、企業向けシステムとの連携(関連記事:Google’s “five year plan” to get into Enterprise continues)をはかるためにsalesforceと提携したのだろう(関連記事:More Details On The Google-Salesforce “Enemy Of My Enemy Is My Friend” Alliance)。SaaS(Software as a Service)形式で企業にサービスを提供しているsalesforceとグーグルは相性がいい。

パッケージを使わないソフトウエア(サービス)の提供は、マイクロソフトもグーグルも同じ考えである。ただし、先行きが不透明なインターネット広告に賭けるマイクロソフトの方が、数年後はヤバイことになっているかもしれない。

個人的には、企業向けのシステムの方が利益率は高いのではないかと思う。個人が仕事に使うツールはWebで展開するかもしれないが、サーバーにインストールして使う企業の業務アプリケーションは、パッケージとして販売されるのがしばらくは主流だろう。サーバーソフトがパッケージとして売れなくなったら今度はSaaS形式での提供をメインにすればいい。マイクロソフトはインターネット広告で覇者となる戦略はやめた方がいいのではないかと思う。マイクロソフトの強みは企業向けソフトウエアにあるのだから。

グーグルは企業向けサービスに進出するのは当然の成り行きであろう。本格的に企業をターゲットにしたときに、マイクロソフト vs グーグルの本当の戦いが始まる。早ければ今年から、遅くとも2010年までには新たな戦いが始まっているだろう。もしかすると、マイクロソフトとグーグルと同レベルの極となうる別のプレイヤーが企業向けソフトウエアの市場に参入しているかもしれない。

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2008年04月12日

OSはなくならない。ただ隠れるのみ・・・だと思う

パソコンといって思い浮かぶ企業がマイクロソフトだったのは過去の話。いまやパソコンを使うといえば、Webブラウザとメールを使うことを意味するようになり、思う浮かぶ企業といえばヤフーやグーグルといったWebサービスを提供する企業ばかりになった。

さてマイクロソフトのWindowsであるが、次のWindowsは2010年ごろに「Windows 7」という名称でリリースしそうだ。そして、この製品がパッケージとして最後の製品になるかもしれないとうわさされている。企業向けのパソコンではまだまだWindows XPが現役というか主流である。Windows Vistaへの移行が進まないのは、パソコンを買い換えたり、Windowsのバージョンアップコストが高くつくからだ。一般的に、現状で問題なく動いているシステムはできるだけそのままにしておきたいとシステム担当は考える。また、企業内で作成されたプログラムの動作チェックのコストも馬鹿にならない。こんなわけで、企業ではかなり時間をかけなければクライアントOSのバージョンアップはできない。

現在、企業内アプリケーションがWebベースになっているのも、アプリケーションの更新しやすいからだ。デスクトップアプリケーションだと、必要な人に必要なタイミングで個別にアプリケーションを配布しなければならない。Webベースにすることで、アプリケーションを更新するときはWebサーバーまたはアプリケーションサーバーのプログラムを修正するだけでよい。デスクトップソフトのOfficeをバージョンアップするのに比べると100倍くらい楽である。特に会社の規模がおおきくなればなるほどバージョンアップの手間は軽減される。

バージョンアップで仕事量が増えるのを懸念している人がどれくらいいるのか分からないが、結構多いと考えて、
調査・コンサルタントのガートナーは、2011年にWindowによらないWebベースのアプリケーションが台頭すると予想している(参考記事:Windows "Collapsing" - 2011 Tipping Point For Web Apps In The Enterprise)。マイクロソフトがIT業界に与えるインパクトが相対的に小さくなり、かわってGoogleやfacebookがIT業界の覇権を取る。そんなシナリオが予想される。

でも、ちょっと待てよ。Webベースのアプリケーションがどんなに使われるようになっても、Windowsは消えることはないのではないだろうか。

computing_sructure.bmpWebサービスはWebブラウザ上で動く。さて、このWebブラウザを動かしているのは誰でしょう。そう、パソコンにインストールされた現状のOSだ。もちろん、2011年にはパソコンのOSの再定義がなされ、まったく別の方式でパソコンを使っているかもしれないが、今のところは考えにくい。ここは、 Windowsが崩壊するのではなく、WindowsがITの主役から降ろされたと考えるのがいい。今までOSに注目していたが、今ではもっと上位のアプリケーションに注目するようになった。それだけのことであろう。

ただし、グーグルやヤフーなどのアプリケーションが注目される期間は永遠には続かないだろう。アプリケーションもOSもデータもすべてサーバーに置くコンピュータの使い方は、メインフレーム主全盛時代の使い方と似ている。メインフレームにあるプログラムを操作するには、専用の端末でメインフレームにログインして使っていた。パソコンがまだ普及していないころの話だ。そして、パソコンの性能が上がるにつれて、メインフレームで処理していたものパソコンでも処理するようにした。これがクライアンント/サーバー・コンピューティングである。

Webアプリケーションを使うのが全盛になっている状況は、メインフレームをダム端末を介して使っているのと似ている。なので、Webアプリケーション時代の次は、クライアント/サーバー型を発展させたものになるだろうと予想できるのだ。どういうものになるかは想像できないが、なぜかコンピュータの歴史は集中と分散を繰り返している。それだけ理想形というものがない業界なのだろう。

これまでパソコンにはWindowsが入っているものというステレオタイプが刷り込まれている私には、Windwosの崩壊というのはにわかには信じがたい。でもきっと現実にはWindowsが日陰に追いやられてしまうのだろう。そして、Googleやfacebookもいつかは同じ道をたどることになる。

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2008年04月11日

死亡原因:ブログ

死因とどれだけ因果関係があるのかは不明だが、米国の有名ブロガーが命を落とすケースが相次いでいるという(参考記事:米国で著名ブロガー死亡相次ぐ 日本でも「ドクターストップ」発生)。心臓発作や血栓症などで死亡してしまうのだそうだ。

確かに、インターネットの分野でブログを書いているとよく分かる。動きが非常に速いし、ネタもそこらじゅうに転がっている。面白いものを見つけると紹介したくなるのがブロガーだ。そんなわけで、テクノロジー系ブロガーは好んで24時間ずっとブログを書くことになる。説明するまでもなく、健康には悪い。

日本では死亡例はないそうだが、それは表に出ていないからかもしれない。ブログだけで生計を立てられるほど収入を得ている人はごくごくわずかだからだ。

ただし、生計を立てられるほどのアルファブロガーになってしまえば、普通の新聞記者や雑誌記事ライターのように、記事の企画(ネタ探し)から取材・執筆、公開という一連のプロセスを実行すればよい。ここまで達する人々はプロのブロガー(職業ブロガー)だ。

米国では職業ブロガーはがんばった分だけ報酬を得られるようになっている。人が無茶をする原因のひとつに高い報酬を得るためというのがある。死亡したブロガーは高い報酬のために体を壊したといってもよい。もちろん職業ブロガーであれば、記事を提供し続ける社会的責任も生ずるので、そのプレッシャーもあったのだろう。

では、アルファブロガーではない、通常は会社などで働いていて、自由な時間でブログを書いている人たちはどうだろうか。こちらは兼業ブロガーと言ってしまっても構わない。こういた兼業ブロガーは自分の時間を切り売りしてブログを書くことになる。ネタ探し(記事の企画)や執筆にあまり時間をかけることはできない。でも、ブロガー魂はあるので、書かずにはいられない。どうしても睡眠時間を削ってブログ執筆をしてしまうだろう。

日米を厳密に比較したわけではないが、日本人ブロガーも体調を崩してしまう人が今後は増加(表面化)するだろう。特に危ないのは、睡眠時間を削ってまでしてがんばる兼業ブロガーだと思う。私も兼業ブロガーである。他のブロガーと同様に、お伝えしたいことは書きたいから多少の無理はしている。とはいえ、ブロガーが死亡する記事を読むと、やっぱり健康には気をつけなきゃと思う。

今回はネットの未来について言及していませんが、ブロガーが死なないようにする健康ビジネスなんかがはやってくるのかなと感じた。何か物事を実施するためには、動ける体が不可欠だ。健康でなければ質のいい記事はなかなかかけないわけだから、体を壊さないのもビジネススキルの1つなのだと思う。まあ、なんというか、私は私なりにがんばります。それしかできないので。

【標語】健康のためブログの書きすぎには注意しましょう。
タグ:健康 ブログ


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2008年04月10日

スタートページのnetvibesが新機能をチラ見せ

自分が必要な情報をまとめて表示するWebページ(スタートページ)サービス「Netvibes」がある。スタートページサービスとしてはかなりメジャーなものである。

見たい情報は画面に組み込んだwidgetという小型のプログラムのようなもので見る。私はタスク管理Webサービスの「Remember The Milk」や各種ソーシャルブックマーク、各種SNSのwidgetを組み込んでいる。用意されているwidgetはかなり多く、必要なものはほぼ揃う。日本のWebサービスに対応したものが少ないのが難点ではあるが、日本語は通るのでいろんなサービスが公開されるのは時間の問題かなと考えている。

ところで、このnetvibes。widgetという形式でどんどん新機能が追加されていくので、使っていて面白い。そして今回はかなり大きい新機能ではないかと思わせるものをちょっとだけユーザーに見せている。

netvibes_drive.pngこのスクリーンショットを見ていただこう。トップページの右上にある「経歴」アイコンの左側に「Drive」というアイコンが追加されている。私が気がついたのは2008年4月9日の午前中(日本時間)だった。ぱっと見たときは画面にひっついているゴミにしか見えなかった。何だろうと思って「Drive」アイコンにマウスオーバーすると「coming soon」とポップアップバルーンが表示される。

これはどう見ても新機能だろう。しかも名称からしてオンラインストレージである可能性が高い。スタートページにストレージサービスということは、ファイル共有サービスをNetvibesが独自で始めるのだろうか。ディスク容量はどれくらい割り当てられるのだろうか。疑問はつきない。楽しみに待つとしよう。使える容量に制限がないことを祈って。



◎2008年4月10日 追記

2008年2月くらいから「Drive」のアイコンは表示されていたようだ(参考)。そしてこの機能はやはりオンラインストレージのようである。仏Steek社のオンラインストレージ技術を使うそうです。仏Steek社からプレスリリースが出ていました。



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2008年04月09日

twitterとFriendFeedとfacebookのゆるい関係(2)

前回の記事はこちら。twitterとFriendFeedについて解説した。

今日はFriendFeedとfacebookについて書こうと思う。facebookは全米第2位のソーシャルネットワークサービスだ。最近では第1位のMySpaceよりもユーザーの支持を得ているようだ。このfacebook、何がいいのかと言えば、フレンドの facebook内での行動が手に取るように分かることだ。フレンドの誰が誰と友達になったのか、どんなグループに入ったのか、グリーティングカードを誰に送ったのか、などなどさまざまなことがNewsFeedに配信される。もちろん自分の行動もMini-Feedという形でプロファイルページに現れる。

このフレンドの行動が手に取るように分かるという観点ではFriendFeedも同じ機能を持つ。subscribeしたフレンドがtwitterでつぶやいたり、ブログを投稿したりすると、その情報がFriendFeedに流れてくる。「ああ、あの人はこんなことに興味を持っているのか」というのを直接本人に聞かなくても分かる。ある意味、FriendFeedを見ると、本人以上に本人のことについて語っているように思えるときがある。

さて、フレンドの行動をシェアするという目的では同じ機能をもつが、決定的に異なる点もある。FriendFeedはオープンであることだ。facebookはfacebook内のフレンドしかウオッチできない。活用の幅という点でFrinedFeedに軍配が上がる。

と、FriendFeedとfacebookについて書いてみた。フレンドの情報を極限まで簡略化したものがFriendFeedだということもできる。ソーシャルグラフを構築する上で、フレンドの行動を簡単に把握できるのはいいことだ。

これまで、facebookが次世代のWebサービスになるのではと思っていた。もしかすると、FriendFeedが次世代Webの核になるのかもしれない。そんな予感を抱かせる力をFriendFeedは持っている。

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2008年04月08日

twitterとFriendFeedとfacebookのゆるい関係(1)

以前「コンテンツは1つのサービスに集約させたい」という記事を投稿した。その投稿では、コンテンツアグリゲーションサービスが便利で、理想に近いものはfacebookのミニフィードだと述べた。

最近はちょっと考えを変えつつある。先の投稿では少しだけ触れたFriendFeedの可能性が想像以上に大きいことが分かってきたのだ。FriendFeedはtwitterの拡張版と考えれば分かりやすいのだが、利用範囲が格段に広い。facebookが担うソーシャルグラフの構築にも十分に応用できる。

今回からしばらく、FriendFeedを中心にtwitterやfacebookとの関係を説明したいと思う。今回はtwitterとFriendFeedの関係について書く。FriendFeedとfacebookについては日を改めて書こうと思う。

さて、twitterの説明は不要だと思うが、簡単に説明すると、何か一言を発信するだけのWebサービスである。気に入った発言をしている人を見かけたらfollowして、発言をウオッチできる。followすることでソーシャルグラフを構築していく。

なお、twitterFriendFeedの共通点は下記の通り。

  • 何かを発信するWebサービスである
  • 気にいった人をfollow(FriendFeedの場合はsubscribe)することで、何に興味があるのかウオッチできる
  • SNSと異なり、相手の情報にアクセスするのに承認をもらう必要がない“ゆるい”つながり

twitterでは、文章とURLくらいしか発信することができない。一方、FriendFeedは、twitterのようにちょっとした書き込みをすることができるし、他のサービスの利用状況も配信できる。

ソーシャルグラフを構築するのに、mixiのようにマイミクシィ申請をして、承認されないとつながりを持てないわけではない。あくまでも一方的に相手を followしたり、相手の情報を購読(subscribe)することで関係を築いていく。twitterが斬新だったのは相手の情報の取得方法なわけだ。followされている数が多いほど、その人の発言は重要だと考えられる。マイミクシィの数が多いからといってmixi内で重要かどうかは判断できないので、人の評価をfollow数で表現したtwitterはすばらしいアイデアだと思う。

このtwitterが成し遂げたイノベーションをFriendFeedではほぼそのまま活用している。自分にとって大事な(面白い)情報を発信しているなと思えば、subscribeすればいい。それだけで、twitterのように相手が配信しているものを自分の画面の中に出すことができる。

FriendFeedは基本的には自分のコンテンツの場所を示すのが目的である。写真ならflickrだし、動画だったらYouTube、自分のブログだったらRSSフィードを登録しておけば、まとめて1画面で見られる。twitterでの発言も組み入れることができる。しかも、subscribeした人の情報まで1つの画面に表示できる。FriendFeedがtwitterの拡張版だと思うのは、自分の画面に流せる情報の差だと思う。

FriendFeed自体はまだまだ対応するWebサービスを増やしていかなければならないだろう。特に、日本の情報源がない。せめて、mixiのマイミクの日記くらいは読めるようになっているとうれしい。よくを言えば、国内外の主要なWebサービスのほぼすべてと連携してほしい。それができれば、 FriendFeedは大きく化ける可能性がある。

FriendFeedのソーシャルネットワーキング機能はfacebookとの共通点/違いとともに別の記事で解説しようと思う。

ちなみに、私のFriendFeedはここ。有用な情報は発信していませんが、ご参考まで。
subscribeはご自由にどうぞ。

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2008年04月05日

SNSがインターネットを小さくする

時計の針を10年前に戻そう。

当時は、「インターネットで世界中の人とつながりますよ」「Webサイトを立ち上げれば、地球の裏側からアクセスしにくる人がいますよ」なんて言われた。当時はすげえことだと素直に他人の意見を聞いてしまった人もいるだろう。常識で考えれば、日本語のWebサイトに日本人以外の方が見にくるわけもなく、しょうもないコンテンツしかなければ、地球の裏側から見に来られたところで、何もおもてなしすることができない。

ここで、時計を現在に戻す。

広大な海のように感じられたインターネットであったら、意外とその世界は狭かったということを多くのWebサイト運営者は感じたのではなかろうか。

さて、ソーシャルネットワーク(SNS)である。実は、インターネットをもっと狭くしているのはSNSなのではなかろうかと仮説を立てている。確かに、GoogleやYahoo!といった検索サービスが出てきてからは、リアルな世界では知り合えなかった人や企業・サービスにアクセスできるようになった。インターネットで知り合える範囲は広がっているといえば広がってはいるが、それは10年前のインターネットに初めて接したときと同じ錯覚なのではないだろうか。

確かに、SNSで地球の裏側の人と知り合いになれたりする。これはインターネットの世界を広げるものだ。一方、SNSはインターネットに接続するすべての人が会員登録していないし、日常的に使っているわけでもない。きわめて狭い範囲でしか提供されていないサービスである。世界最大のSNSであるMySpaceでさえ、たかだか2億アカウントである。地球の人口が60億を超えている現在、2億といってもたいした数字ではない。

そして、SNSで知り合いになるには、友達になろうというリクエストを出し、承認してもらえればめでたく友達としてソーシャルグラフを拡張できる。これは非常に体力と気配りが必要な作業である。必然的に、SNSでの知り合いは爆発的に増えないのが一般的である。

狭いから悪いのではない。矛盾するかもしれないが、やはりインターネットは大海である。なので、狭い範囲のコミュニティの方がかえって都合がいい場合がある。

たとえば検索。自分が何かを調べる時の行動もSNSで変わるかもしれない。インターネットで何か調べ物をするとき、検索エンジンを使うのが常套手段だろう。これが、 SNSを中心としたネット社会が出来上がっていると、検索エンジンよりもSNSでつながっている人に問いかけた方が手っ取り早いことが多くなる。リアルな世界だと、仕事で分からないことがあったら隣の席にいる人に聞くのが一番早かったりする。これをネット上で行うわけだ。距離の制限を考えなくてよくなるので、遠く離れた知り合いでさえ、SNSのソーシャルグラフを通すと、隣の席の人に問いかけるのと同じ感覚で接することができる。そして、SNSでの知り合いは自分の知りたい答えを持っている確率が高い。

便利といえば便利なのだが、なんとなくインターネットが狭くなっているような気がするのだが、いかがだろうか。

また、SNSを通じて知り合った人は自分が知りたい情報を持っている確率が高い。そりゃ、自分の興味と近い人を知り合いとして迎えるのだし、こちらから友達にな
るためのリクエストを出すときも、趣味や考え方がまったく異なる人には出さない。なので、これから先、もっとmixiやfacebookといったSNSが
使われ、または企業システムの一部としてさらに導入進んだとすると、インターネットをコンパクトに使うことができる。つまり、自分が必要とする範囲内で効率的にインターネットを利用できる。

ひとつ間違えば、そこに待っているのは、自分の興味の範囲でしかつながりを持てない狭い世界、“デジタ
ル引きこもり”といえなくもない状態になるかもしれない。これはちょっと極端な想像ではあると思うが。

でも、私はこのような状態になるのは悪いことではないと思う。現在の検索エンジン中心の情報収集は、SNSにより人力での検索に変わる。なにより、人のぬくもりが感じられるのがいいではないか。「趣味のサークル2.0」とか「仕事場2.0」「近所付き合い2.0」と表現すると格好いいだろうか。

posted by やすお at 02:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | SNS一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年04月04日

ソーシャルネットワークの中で共感を得よ − 生まれ変わるメディア

インターネットの普及とともに、新聞や出版社など文字を売り物にする企業が構造不況の真っ只中にいる。そして今では、YouTubeの登場が原因かどうか分からないが、テレビ局までもが衰退しようとしている。

いまだに「若者の活字(文字)離れ」と言われることがあるが、これは認識が甘い。というより、見てないに等しい。ちょっと電車に乗ってみれば分かる。若者は携帯電話を使ってメールの送受信やケータイサイトに接続して、“文字”を読んでいるではないか。携帯電話が普及する前と比較すると、現在の方が文字に触れる時間は長いのではないだろうか。近頃はマンガも読まずに携帯電話を鬼のようなスピードで操作している人をよくみかける。

そんなメディア業界であるが、出版はブログをベースとしたサービスへと移行するかもしれない。NewYork Times(NYT)の名物コラムニストであるニコラス・クリストフ(Nicholas D. Kristof)氏は、ソーシャルサイトの利用を模索しており、コラムをブログで紹介したり、facebookでファンページを立ち上げて活動している(関連記事:NYTの看板コラムニスト,新聞復活めざしブログやSNSを活用)。特にfacebookでファンページを作成したという意味は大きい。一方的なマスメディアという立場から、ソーシャルグラフを活用した“双方向コミュニケーション”の中でコンテンツを提供するスタンスに移行することを宣言しているようなものだからだ。

もっともソーシャルネットワークを活用しようと考えているのはニコラス・クリストフ氏だけではない。氏以外にもブログが出版プロセスを変える可能性があることを指摘している(関連記事:あれから6ヶ月、そして600の記事)。では、ジャーナリストたちはソーシャルネットワーキングを何に使うのあろうか。多くは読者個人に訴えかける手段として使うことになるだろう(関連記事:ブログが出版プロセスを変える可能性)。

実は、日本には「魔法のiらんど」というサービスがある。ケータイ小説を投稿するサイトだ。ここでは読者の反応を見ながら小説を作り上げるプロセスができている。ケータイ小説が受けているのは、読者の共感を著者がダイレクトに作品へ反映できるからだろう。

ということで、ジャーナリスト専用のソーシャルネットワーキング「publish2」も出てきた。もちろんソーシャルネットワークだからうまくいくという保障はない。とはいえ、顧客(読者)に対して何を提供しなければならないのかを知るためには、ソーシャルネットワークを味方に付ける必要があるだろう。

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2008年04月03日

ソーシャル翻訳? さすがfacebook

世界第2位の会員数を誇るSNSのfacebookが、英語以外のバージョンを相次いでリリースしている。この多言語版facebookの開発方法がものすごくユニークだ。翻訳作業をユーザーにやらせているのである。2008年4月現在、日本語版の翻訳作業が進行中で、facebookのユーザーであれば、だれでも参加できる。

このユーザーに翻訳作業をやらせる方式は、実にインターネット的だ。集合知でローカライズをしてしまおうというわけだから。受益者負担とも言えなくはないが、翻訳作業はあくまでもボランティアなので、受益者全員に翻訳の義務はない。

ネットワーク上のみんなで何かを作り上げる手本となったのは、オープンソースの開発手法だろう。OSのLinuxやWebサーバーソフトのapacheといったオープンソースソフトは、世界中のプログラマがよってたかってソフトウエアを開発している。開発に携わっているプログラマには基本的に報酬は支払われない。開発したソフトウエアがたくさんの人が使うようになったり、ソフト開発のスキルが向上したことなどが報酬になる。

facebookの翻訳も、facebookの日本語版作成に携わったという名誉が支払われる。私も単語を1つ翻訳してみた。たった1語だけなのに、非常に興奮した。自分が使っているWebサービスの(ごくごく)一部を開発したわけだ。プログラマじゃなくても、サービスを作り上げていく喜びが得られる。これは面白い。

だれがこんなことを思いついたのか分からないが、相当頭のいい人がfacebook内にいるのだろう。日本語版のサービスリリースはまだ先のことだと思うが、集合知の結果を見守っていきたい。

また、もうひとつの効用がある。人間が翻訳しているので、翻訳精度が上がるのだ。facebookで日本語化アプリケーションをインストールすると、一部ではあるが日本語に翻訳されて表示される。全部を見たわけではないが、それなりにこなれた翻訳になっていると思う。機械翻訳とは違うのだよ、というのを見せ付けられた。

これを読んで、自分も翻訳プロジェクトに参加したいと思った方は、facebookに登録するといいだろう。すでに会員であれば、ログインした直後の画面の上部に下記広告のようなものが表示されている。ここをたどってアプリケーションをインストールすればまったく問題ない。

translate_facebook.png  

facebook内には翻訳家などきちんとした人が集まるページが用意されている。ここでは、例えば「poke」はどう翻訳するべきかなどを熱くディスカッションしている。単なるボランティアにせず、きちんとサポートをするfacebookには好感が持てる。

◎翻訳プロジェクト用にユーザー間でディスカッションをする場。
http://www.facebook.com/translations/

posted by やすお at 01:43 | Comment(2) | TrackBack(1) | Facebook | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年04月02日

大きなプログラムと小さなプログラム−サクラのスライドショーから考える

東京都内の桜はそろそろ終わろうとしている。花見をするなら今を逃してはいけない。今年の桜はどうだっただろう。人間の記憶はあやふやなので、デジタルデータとして記録した。ついでなので、カッコよくスライドショーにしておいた。

今日のポストはスライドショーを自慢したいわけではない。スライドショーを通してWebの未来を紹介する。とりあえず、せっかくなので、まずはスライドショーをお楽しみいただきたい。








どうだろうか。このスライドショーの作成には米slide社のWebサービスを使った。スライドショーで表示している桜の写真は、私の携帯電話で撮影した写真をデジタルフォトや動画を保存できるphotobucket(米Photobucket社)にアップロードしたものだ。ちなみに、スライドショーの作成に費やした時間は5分ほどである。まあ、桜をテーマにすると決めていたので、作りやすかったのも事実である。

「まだWebの近未来なんて出てきてないじゃないか」と思うかもしれない。しかし、今回私が作成したスライドショーにWebというかプログラムというかコンテンツの未来形がある。

最終的に私が作成したスライドショーは、このブログの記事として使われたし、私のfacebookのFunWallにもポストした。もちろん、slideのWebサイトでもスライドショーを見ることができる。

ここまでの流れを整理しよう。

  1. まず、撮影した写真をphotobucketにアップロード
  2. slideでphotobucketにある写真を組み合わせてスライドショーを作成
  3. facebookとブログでslideに保存しているスライドショーを公開

私が使ったWebサービスは「photobucket」「slide」「facebook」「ブログ」の4種類だ。facebookとブログはコンテンツの公開という同じ役割なので、実質的には3種類のWebサービスを使っている。photobucketは写真や動画を保存する機能、slideはスライドショーの作成のみ、facebookとブログは作成したコンテンツを他人に見せるために機能を提供しているにすぎない。

各Webサービスの比較的単純な機能を組み合わせて最終コンテンツに仕上げる手法は「マッシュアップ」といわれる。マッシュアップという手法も近年注目されている技法であるが、ここで言いたいのはマッシュアップのことではない。

比較的単純な機能は、いわば「小さなプログラム」である。ここではそう考える。「小さなコンテンツ」と言い換えてもいいだろう。これら小さなプログラムを組み合わせて「大きなプログラム(大きなコンテンツ)」(ここでいうfacebookやブログで提供するコンテンツのこと)をWebの世界で作成できるようになったのだ。

「大きなプログラム」と「小さなプログラム」−−−これはどちらかが良くて、どちらかが悪いというものではない。これまで、プログラム作成(コンテンツ作成)は「大きなプログラム」が主流になったり「小さなプログラム」が主流になったりを繰り返している。たとえば、Windowsシステムがデファクトスタンダードで使われ始めたころ、同時にOfficeソフトが肥大化した。1つのソフトで何でもできるようにしたのだ。プログラム開発の効率のよさなどはほとんど考えられていない。その結果、マイクロソフトはOLE(Object Linking Embedding)やAppleを始めとするOpenDocという規格が作成され、1つの文書に動画像を埋め込める技術が使われそうになった。ただし、 OpenDocに関しては、この試みはうまくいかなかったといえる。

この失敗を元に、再度Officeが肥大化した。そして、再度、プログラム(コンテンツ)は小さく分割されつつある。今度はOfficeではなく、プログラム(コンテンツ)を載せるWebが議論の中心となった。現在のWebではウィジェットをページ内にいくつかちりばめて、1つの画面を構成するようになっている。

単なる歴史の繰り返し?と思うかもしれないが、今度は各Webサービスで提供しているサービスは単体でも使えるところが異なる。photoucketでも単体でスライドショーを作成することができるし、slideだって写真を保管する機能がある。facebookにも写真を管理する機能がある。ブログにも写真を載せるためのデータを保管するスペースを持っている。

ここからは私見であるが、これからの3年間はWebの世界に限っていえば、ウィジェットベースの画面やプログラムの作成が主要となる。現時点ではまだ実感がわかないだろうが、それはウィジェットが表になかなかでないからだ。すでに、企業内ポータルシステムなどでは、ポータル画面上で動くウィジェット(ポートレットともいう)を組み合わせて構築するのが普通である。また、個人向けのサービスではiGoogleやNetvibesといったスタートアップページを提供するサービスでは、ウィジェットが整然と並んでいる。ひそかに使われているのだ。全面的にウィジェットが表に出てくるにはもう少し時間が必要である。

さらに、ウィジェット全盛時代は長くは続かない。次(10年後くらいかな)はまた大きなプログラム(コンテンツ)の時代に進むだろう。決して戻るわけではない。何か便利なものを実装して、昔とは比べられないくらいきれいになって、しかも耐障害性に強いものができるのであろう。

ITの世界は過去に繰り返しが発生している。今回のポストも実はIT世界の動きに打ち負かされるなといいたいだけのことだ。大きな流れに注目すると重要なものが見えてくる。

posted by やすお at 01:49 | Comment(3) | TrackBack(1) | IT業界動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



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